12月 1日(月) 休館日

 昼前に四の宮川でカワニナを採取。三島ゆうすい会会長宅へ届ける。喜ばれる。
 午後はまったり過ごす。本棚の中村雄二郎の本を眺めていて、その隣に処分したと思い込んでいた福原麟太郎「読書と或る人生」新潮選書1967年初版を見つける。懐かしい。高校生の頃、これを読んだ。けれど、どこまで理解できたか。166頁に
幸田文(あや)氏の随筆は、けがをして包帯を施した右の手をいたわる心持が実によく出ていたので、失礼ながら例として拝借する。」
 から幸田文を一部引用。

「手の持ち主さえ気易くはとりあつかえないような、遠慮すら感じさせられます。病院からのかえり、非常に大切なものをかかえたようにして、私は怪我の手にいやに恐縮しておりました。」

「私はあわてて娘の腕を拾うと、胸にかたく抱きしめた。生命の冷えてゆく、いたいけな愛児を抱きしめるように、娘の片腕を抱きしめた。」

 川端康成の短篇「片腕」を連想した。

 夕方には鋭い三日月が美しく浮かんでいたが、夜になって雨。

  星屑の雨かもしれずしんしんと宇宙のにほひするやうな雨  小島ゆかり