つりたくにこ展に助力してくださった平野雅彦氏に途中経過を報国。折り返し嬉しいメールが届いた。
《この展覧会はものすごい意義があることだとおもいます。 絶対にこの先、きちんと評価されるときが来ます。》
水木しげるは『東西奇ッ怪紳士録』小学館文庫2002年初版で平賀源内の生涯を《面白生活の創始者!!》として五話にわたって描いている。源内の没後、親友の杉田玄白に言わしている。
《源内さん、あんたは才能がありすぎた……あんまり才能がありすぎるため、すべてのことに挑戦して……結局すべて失敗してしまった……(引用者:略)あんたは、その自由な魂で、江戸を面白くしてくれたのさ。》
漫画で紹介されている源内の「放屁論」、「放屁論後編」ほかを『日本の古典25 江戸小説集 II 』河出書房新社1974 年初版のいいだもも・訳で読んだ。いいだももはエッセイ「滑稽卑猥な男の味」を以下の文で結んでいる。
《「源内未だ詩文ヲ知ラズ」と評したのは大田南畝ですが、文化反動の時期に戦々兢々としてつまらぬ役得あさりの小役人で一生を終った蜀山人などには、時に遇わなかった豪傑の風流を解しえなかったのはむしろ当然のことといえます。》
橋本治は『江戸にフランス革命を! 下 江戸のその後』中公文庫1994年初版、「彼は一体なにを怒っていたのだろうか?──平賀源内考」で書いている。
《私は平賀源内が嫌いだ。ちっとも面白くないし全然興味がない。》
《平賀源内とは多分、日本で最初の"空洞としての個人"を体現するものである。》
《私は平賀源内を見ていると、どうしてこんな中途半端なインテリが平気で罷り通るのか、よく分からなくなる。鎖国の江戸時代ならともかく、現代においても"まだ"なんだから、不思議でしょうがない。》
《結局のところ、平賀源内は"根拠のないインテリ"で、ただの"有名人"なのだ。"有名人" であることだけで飯を食っていた、飯が食っていけると思いこんでいた、日本で最初の人間なのだ。》
ボロクソ。明日へ続く(つもり)。
昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。海堂尊『ブラックペアン1988』講談社2007年初版帯付、野田良三『ジョーク力養成講座』大修館書店2006年初版、計210円。