矢の家

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。井上ひさし『イソップ株式会社』中央公論新社2005年初版帯付、サラ・ウォーターズ『エアーズ家の没落(上・下)』創元推理文庫2010年初版、計315円。

 A.E.W.メースン『矢の家』創元推理文庫1994年29版を読んだ。1924年の作。惹句から。

《 執拗な悪念をいだく犯人と、これに対する探偵の火花をちらす心理闘争は本書の圧巻で、》

 期待したが……。探偵と犯人とその間をオロオロするお人好しの若者。その描写にいまひとつ乗れなかった。福永武彦の翻訳が私には合わなかったようだ。彼が別名の加田伶太郎で著した推理小説はそこそこ面白かったけど。

《 お嬢さんのやりかたは正鵠(せいこく)を得たものでした。》187頁

 のような間違い(得るは誤り、射るが正しい)が、29版でも直されていないとは。

 昨夜のEテレ10時からの『きれい選 10分でフルメーク! 驚きのプロ技』。アイライン、アイシャドウ、マスカラで驚きの変貌! 清楚、ゴージャス、目力。はあ〜、眩惑、平伏〜。

 昨日の毎日新聞夕刊、宇野常寛「月刊ネット時評」の結びから。

《 そもそも、テレビによる社会の全体性の仮構は、戦後社会の例外的な安定期の視聴者の均質化があってはじめて成立したと考えるのが妥当だろう。その全体性への意思を正しく放棄することで、はじめてテレビはデジタル化の時代に相応しいビジョンを描くことができるのかもしれない。》

 毎日新聞朝刊に昨日の台湾からの視察の記事と安藤信哉展の告知。安藤信哉展、今頃告知とは。静岡新聞の写真入り記事は16日に掲載、朝日新聞の写真入り紹介は31日に掲載予定。うーん。

 ネットの拾いもの。

《 さあ、仕事するか。(え、今まで何してたの?)》