モノたち

 休日明けは美術館内部は冷え切っている。おお、寒。いつもは暖房する前にお掃除を始めるけど、きょうは部屋が温まるまで待つ。

 先だって、虹の美術館を運営していた本阿弥清氏が来館。石子順造的世界展のパンフレットを恵まれる。

《 美術発・マンガ経由・キッチュ行 》

《 昭和40年代を疾走した、あまりにまじめ過ぎた野次馬の軌跡! 》

 一度は忘れられかけた人が再び浮上する。時代の巡りあわせ。行きたいが、「遠いです」と氏。添付のコピーは朝日新聞25日付の展覧会記事。

《 「キッチュ」の展示室には大漁旗食品サンプル、観光地のペナントなど、およそ美術館とは無縁なモノがひしめく。「芸術を芸術たらしめてきた非芸術の領域としてのキッチュ」を検証することで「芸術」を問い直そうと奮闘する石子の姿が浮かび上がる。》

 今読んでいる『山崎方代全歌集』不識書院にこんな歌。

《 メロットを溶かしてみるとメロットは女のように丸くて重い 》「こおろぎ」

 メロットとは何ぞや。三冊の辞書には見つからず、ネット検索して、これか、とたどり着いたのが「メロットメタル」。歯の技工で使用するモノ。昼食後キャラメルを噛んでいたら奥歯にかぶせてあった金が外れてしまった。なんだかなあ。メロットを調べたせいかなあ。午後歯医者へ行く。敗者の精神史ならぬ歯医者の精神史を書けそうな気がしてきた。

 鉄道マニアで乗る専門の人は「乗りテツ」、写真を撮る人は「撮りテツ」という。モノレールに乗るマニアは「乗リモノ」、写真を撮る人は「撮リモノ」というのだろうか。

 ネットのうなずき

《 選挙とか裁判とかは、たぶん、無条件にオトコの心を燃えさせるモノがあるんだろうね 》

 民事裁判では原告になったり被告になったりしたので、よくワカル。