「誰が袖図屏風」

 昨日ふれたニーニョ・リカルド(1905-1972)のソロ・ギターのLPレコード 『フラメンコ・ギターの至宝』日本コロムビア1975年を聴く。初めてのフラメンコ ・レコードにして最もよく聴いたフラメンコ・アルバム。白昼の陽光よりも 黄昏近くの翳りの変幻。逢魔が時の音楽だ。今になってその眼差しの奥深さに 気づく。震える。ドゥエンデ。

 某ツイッターに9月13日〜10月11日、ベルリンでゾンネシュターン展。本棚から 『月の道化師──預言の画家 ゾンネシュターン展』の図録を取り出す。1974年 9月13日〜25日、西武百貨店池袋店7階=特設会場。種村季弘氏が関わっているので、 未知の絵を見に行った。見たことのない作風に面食らった。種村氏の解説から。

《 ゾンネシュターンのイメージには背景がない。イメージはいきなり、 夜空の星が背景のない虚空に浮んでいるように、底なしの、 何ひとつない世界の上に配列される。 》

《 だが、この10年間にゾンネシュターンをめぐる評価は大きく変った。この 「狂人のような絵」を描く画家は、その無邪気な外見ほど無知ではなく、その 道化た扮装ほど無害ではないことが、しだいにあきらかにされてきたのである。  》

 午後、知人の車に同乗、MOA美術館の「葛飾北斎 富嶽三十六景」展へ行く。 『神奈川沖浪裏』と『山下白雨』が双璧の名作だ。
 無名の屏風『誰が袖図屏風』16世紀に眼を見張った。隣の展示室の椅子に座って 遠望すると、その構図といい、配色といい、モダンアートそのもの。 新鮮で全く古臭くない。知人もこれは凄いと驚いた。絵葉書がなくて残念。

 ネットの拾いもの。

《 サウナで「足腰弱くなって将来病院に一人で行けなくなったら娘に連れてって もらわなきゃならないでしょ。そんなの悪いから鍛えなきゃ」というおばちゃんに 別のおばちゃんが「何言ってんの?娘が世話してくれるとでも思ってんの? 甘いわよ。あなた体鍛えるよりその甘っちょろい脳鍛えた方がいーわね」
  さらにおばちゃん「まー病院とか高齢者施設とかあるけどさー、そんなとこ 入るより火葬場直行した方が本人も周りも気楽よね〜だめなのかしらねー。 あつそーだけどねー強烈なサウナみたいなもんでしょー」 》