不安定な天気。夕方には雷鳴と豪雨。帰宅後でよかった。夜になっても雷雨は収まらず、こんどは雹。天変地異の 前触れ? ワクワクなのかドキドキなのか。こんなのはじめて……あ、今読みたい隆祥館書店の官能小説だ。
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味戸ケイコの絵を最初に注目したのは、雑誌『終末から』筑摩書房の表紙絵だったと思う。イラスト、挿絵 という見方ではなく、一つの絵として眼に焼き付いた。決定的な出合いは画集『かなしいひかり』講談社1975年初版。 池袋にあった詩の店ぱるこ・ぱろうるで遭遇、即購入。『終末から』の表紙絵が全部載っていた。同じ年に 偕成社から出た絵本『あのこがみえる』も絵画と見ていた。ファンレターを出した。1985年の初個展で初めて会い、 二点を購入。一枚は毎日新聞の全面広告に使われたもので記憶に鮮やかだった。もう一点は楳図かずおの『おろち』 小学館文庫に使われていたことを後日知った。原画だからではなく、絵を気に入ったから、手元で見ていたいから購入。
知人の紹介で北一明の茶碗を最初に見たのは1980年、新橋のギャラリーだった。正面からの焼きもの鑑賞は初めて。 見たこともない色彩の茶碗に興味を抱き、二階で展示のデスマスク群には身を引いた。やがてそれらの幻妖な輝きに 深い関心をもった。北一明の主張の真偽を確かめに、東洋陶磁美術館、出光美術館、東京国立博物館、静嘉堂文庫、 MOA美術館などで国宝茶碗をはじめ、古今東西の名品を見た。茶道で使う茶碗という視点は欠落したまま、どれも 茶碗のかたちをした彫刻作品として。使用目的から逸脱した鑑賞だ。茶の侘び寂びの知識から入らなかったことが 幸いした。
味戸ケイコでも北一明でも、それから林由紀子の銅版蔵書票でも、白砂勝敏の木彫椅子でも、本来の使用目的とは 無縁な視点から私は鑑賞して、いいね!と思う。その道の専門家から邪道の鑑賞法と批難されるかもしれない。 邪道も外道もあるものか、だ。芸術品として評価されている古典の多くは、出来た当時の使用目的からかけ離れて、 「芸術品」に昇格している。イラストだから絵画ではない、茶碗だからオブジェではない、蔵書票だから、椅子だから、 という偏狭な価値観はもう無くなってほしい。そういうジャンル分けはもはや効力を失っているだろう。ただ業界と 旧来のコレクターたちがその変化を押しとどめているだけだと思う。
それにしても、と思う。美術の鑑賞法がこれほどに教育、訓練されていないのは尋常ではない。国家の存立価値の 根幹は国力であるが、それだけでは敬れはしない。ルーヴル美術館に代表されるように、芸術作品こそが国家国民の 価値、品位を保つ(あるいは上げる)唯一といえる方法だ。
海外からの観光客の何人が東京国立博物館を、西洋美術館を訪問しただろうか。その近くの秋葉原のほうが桁違いに 多いのではあるまいか。この違いに何を見るか。外国人は日本的なるもの・美を求めている。その日本的なるもの・美を、 美術業界の人たちはわかっていないのではないかな。旧来の日本美の常識とはまるで違っていると思う。
鑑賞の視点、鑑賞の深度は試される。一昨日引用した塚本邦雄の短歌のように、三島由紀夫という慧眼の士がいたから 作家は励まされ、作品は埋もれることがなかった。昨日の引用の続き。
《 私はその後、『水葬物語』で登場したやうに伝へられてゐるが、ルーツ探しによる結果論である。 》
《 ただ、それを甘受すゆゑに、なほさら「文學界」への招待は忝く、この一冊は、今日も私の書棚の第一段に護符の やうに安置してゐる。 》
時代は大きく転換しつつある。旧来とは異なった鑑賞の視点、歴史的に培われてきた鑑賞の深度、双方の鑑賞眼を もつ人よ、現れよ。
ネットの見聞。
《 17 Magical Pics Of Japan’s Cherry Blossom By National Geographic 》
http://www.boredpanda.com/spring-japan-cherry-blossoms-national-geographic/
《 「村上隆のスーパ―フラット・コレクション」展のカタログ 》
《 3,456円(税込)(会期内限定価格)※会期後は7,000円前後になる予定です。 》
http://yokohama.art.museum/special/2015/murakamicollection/sp/catalog.html
《 株式会社信山社出版 (しんざんしゃしゅっぱん)は、日本の出版社の一つ。法律関係中心の出版社である。売れ行きを さほど気にかけていないかのようなタイトルを出版することもあるのが特色の一つである。 》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E5%B1%B1%E7%A4%BE%E5%87%BA%E7%89%88
《 くまもと映画プロジェクト「うつくしいひと」出演/橋本愛、姜尚中、石田えり 》
https://www.youtube.com/watch?v=6OkvCUgta4U&feature=youtu.be
上田三四二の短歌が過ぎった。
《 思ひ出のなか返りくる面かげのありありとして名を忘れゆく 》
《 茶道具 拝見に使われる表現 》 いわの美術
http://www.tyadougu.com/topics/newtyadougu-20160325.html
ネットの拾いもの。
《 茶器なんて面白いもので、
織田信長や豊臣秀吉が使っていたって理由だけで1億円もするんだぜ 》
《 夜の海でも見に行こうか?とアホ臭い事を言って、
バイクに乗せてデートに出掛けた事が有るな。
今思い出すとあの時あんなことをしなければ、
横でガーガー寝ている嫁は居なかったんだろう。
何と言う大失敗をしてしまったんだろう。 》
《 嫁は新品マニアな面があって、新規落成稼動前の斎場の焼き場に行ったことがある。
稼動し始めたら生きてるうちは絶対入れないからって
まだピカピカの釜の中に入って来た。 》