大岡信『悲歌と祝祷』『春 少女に』のニ詩集そして『自選 大岡信詩集』岩波文庫を読んで、三浦雅士の解説 「ある愛の果実」の意味が深く染む。この『自選 大岡信詩集』そのものがある愛のうた(果実)なのだ。捧げ物なのだ。 だから自選。
朝一番で近くのみずほ銀行へ。現金自動支払機の前に立つ。気持ちをなだめて表記文字をじっと見る。フム、タッチ。 フム、タッチ。あ、間違えた。繰り返す。よしよし。開いた扉に一万円札をしっかりと入れる。扉が閉じる。大丈夫かな。 やや不安。ガチャガチャガチャ。扉が開く。千円札八枚と小銭をしっかり掴む。出てきた小さなレシートも財布へ。終った。 ふう〜。初めてのATM送金。疲れた〜。一日分の仕事が終った気分。古本の到着を待つか。
気楽な気持ちでブックオフ長泉店へ。山折哲雄『ブッダは、なぜ子を捨てたか』集英社新書2006年3刷、三島由紀夫『命 売ります』ちくま文庫2015年20刷、計216円。
午後、曇り空なので自転車で境川上流部分を再調査。家の裏側を通っているから、できれば川の中を歩いて行きたい。 川まで三メートルほどの峡谷状態で、壁の登り下り口がなかなか見つからない……と空を仰いだら知人から声をかけられる。 すぐ近所が彼の自宅だと教えられる。境川の昔の話を聴く。今は十センチ足らずだけれど、溢れることがよくあった、と。 この辺では年一度川掃除をしている、とも。いい情報を仕入れられた。犬も歩けば棒に当たる、だ。
夜は読書の後、ビールか酒を少々嗜みながら音楽に耽る。快い酔いのなかで音楽に身を浸す。これぞ初老のささやかな 愉しみ。高校生の時、老後すなわち老眼になった時のために活字の大きな本を買うよう心がけた。『日本短篇文学全集』 筑摩書房全48巻。判型は新書版で重くはない。二段組だけれども活字は大きい。準堅牢本。これで稲垣足穂らを知った。 それから半世紀。前期高齢者になったけど、未だに眼鏡は不要。これは予想外だった。老眼なら読書も苦労だろうと考え、 耳で楽しむための音楽レコードを購入。今のところ耳も衰えていない。予想が外れて嬉しいが、他にも予想外があるが、 それは措いて、所有欲が減衰した。すなわち手に入れたい美術品がなかなか現れない。人間、悟りを開く歳になっても、 美(美術品)を手に入れる欲だけは衰えないどころかいや増す例をいくつも見てきたが、私は恬淡。これ以上あっても 手に余る。味戸ケイコと安藤信哉の絵、北一眼の焼きもの。私にとってはこの三作家の作品が鼎立状態。版画は他の人も 所有しているが、三作家の作品は一点もの。これ以上の何を求めるのか、と私は評価している。評価は後世に委ねられる。
一昨日、川掃除のテレビ取材で某女優から「どうして掃除をしているんですか?」といったことを訊かれた。記憶は曖昧。 なにせ打ち合わせなど何もなし、女優さんが来ました、お願いします、で、ぶっつけ本番、一発撮り。とっさに応えたのは 「子どもたちが裸足で川に入れるように」云々。上手いこと言ったなあと自分を褒める。「後世に負の遺産を残さないように」 とも言ったが、これではインパクトが弱い。果たして来月の放送では何が使われるか。それはともかく、源兵衛川の修景整備は、 ランド・アート、芸術の一形態だと私は考えている。その川の情景に身を置くことで視界が、身体感覚が際立って鋭敏になる。 その変化は、芸術が人に与える作用と同じだと思う。昨日横浜から再び川掃除にいらした二人の女性がそれを実証している。 芸術の体験とは、未知の世界が不意にぐっと開かれる驚きなのだ。そしてその体験は一過性のものではない。つねに新鮮な 地平が開かれる。私にとって味戸ケイコ、安藤信哉、北一明の作品は、つねにそうある。
ネットの見聞。
《 トップの仕事は何かを始めることより、やめることの決断なんだよね。もし地域での取り組みを牽引するトップが やることばかり決めて、やめることを決断しないとすれば危険だと思った方が良いよね。 》 木下斉
https://twitter.com/shoutengai/status/775120421800648704
三島市……。
《 911から15年が経ちました。僕も当時ニューヨークにいたので本当に怖い思いをしましたが、改めて思うのは、 怖いからといって米国がアフガンやイラクに攻め入ったことは、致命的な過ちだったということです。あれはソリューション ではなく単なるリアクションでした。 》 想田和弘
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/775037156494483456
《 「食べログの信頼性が損なわれた理由」/口コミサイトが独立性を保つことの難しさ 》 さようなら、憂鬱な木曜日
http://www.goodbyebluethursday.com/entry/tabelog
ネットの拾いもの。
《 滋賀県近江八幡市 安土山(安土城趾)の無料駐車場 vs 有料駐車場の戦いが面白すぎる 》 働けおっさんブロガー
http://www.maskednishioka.com/entry/Omihachiman_Azuchiyama
《 某作品の校訂で「顔」という字に「あたま」というルビが振ってあるのはなぜか、終日頭から煙が出るほど考えていたが、 単なる誤植ではないかという可能性に気づいて、おれの時間を返せという気持ちになっている。 》 芦辺 拓
https://twitter.com/ashibetaku/status/774978092406231040
《 ぼけーっとしていて、痛み止めと睡眠薬を間違えて飲みました。ダメだと思います。 》 古書現世
https://twitter.com/wamezo/status/774966620364038145