山田登世子『ブランドの条件』岩波新書2006年初版を読んだ。ルイ・ヴィトン、エルメスそしてシャネルの三つの ラグジュアリー・ブランドを主な対象にしている。ラグジュアリー=贅沢。昨日の石井淳蔵『ブランド 価値の創造』 ではコカ・コーラから洗剤まで日用品を主体に論じられていたが、これは贅沢に焦点を合わせた考察。
《 まさしく、モードはいわれもなく、どこからとももなく立ち現れて、次の季節にはもうはかなく消えてしまう。 モードは根っから起源というものを知らない。
ところがブランドは、まさに起源を持っている。 》 11頁
《 恒久性をめざすブランドは、変わらないこと、いつも同じにあることを大切にする。その一方で、時代に遅れ、 取り残される危険をからんでいる。変わらないでいるためには、「新しさ」が必要なのだ。モード界への参入は、ルイ・ ヴィトンにとって、さらなる飛躍をめざす命がけの冒険だったのである。 》 11-12頁
《 そう、モダン・ラグジュアリーとは商品生産なのであって、マーケットを前提にした生産なのである。それこそが 貴族財とブランド品を分かつ境界線にほかならない。 》 76頁
《 ラグジュアリー・ブランドにとって、陳腐化ほど恐ろしい敵はない。(略)ラグジュアリー・ブランドは希少性 あってこそオーラを放つ。 》 81頁
《 たとえ本物があったとしても、比較項である安物や偽物がなければ、本物のオーラはわからない……。 》 98頁
《 貴族にとってブランドは存在しない。ブランドのプレスティージュは貴族の時代の終焉をもってしか始まらないのである。
言葉をかえれば、ブランドの時代はデモクラシーと手を携えてやってくるということだ。 》 108頁
《 家名の栄誉に代わって「金銭(ドル)」がものをいう世界。ドルの大国アメリカは史上初のブランド天国である。 》 111-112頁
《 シャネルの時代と共に「起源のオーラ」はいまや王侯貴族の栄誉をはなれ、時の話題をさらってメディアに登場する 「有名人(セレブ)」に移ってゆく。 》 144頁
《 ルイ・ヴィトンやエルメスのような老舗ブランドとシャネルという新興ブランドを決定的にわけへだてる分岐点として、 シャネルの「偽物主義」はどれほど強調してもしすぎることはない。 》 146頁
《 だから、シャネルに至って、価値の源泉はひとえにシャネルのネームのバリューに由来することになったのである。 》 150頁
《 ヴィトンにしろエルメスにしろ、何代も続いた「血統書」つきの業者である。ところがシャネルにはその血統書がなく、 ワースやポワレのようにオートクチュール業界での修行時代もない。
だからこそシャネルは業界の伝統に一切とらわれることなく、大胆な刷新をやってのけることができたのだ。 》 129-130頁
《 この起業家は他人より半世紀早すぎたのである。 》 151頁
北一明を思う。シャネルと同様な経歴だ。北は反逆した(『ある伝統美への反逆』)。早すぎた反逆だったのか。しかし、 作品は残る。いや遺す。
《 わたしたちの問題意識にそって言えば、虎徹や正宗はブランドなのである。作者の名が、その価値をつくっているからだ。 》 153頁
ネット、いろいろ。
《 夢は壁一面の本棚を『虚無への供物』で埋めることです。 》 藍川蘭
https://twitter.com/ran_aikawa/status/842379212564570115
講談社文庫旧版の『虚無への供物』は、2003年6月13日発行の51刷が最後かな。51冊並んだら壮観だな。なお、新装版 『虚無への供物』は、2004年4月15日第1刷。
《 「ぜんぜん」のあとは否定形であるべきだというのが都市伝説だと、いま知った。「ぜんぜん大丈夫」とか言っても、 ぜんぜん大丈夫らしい。
新潮社『三省堂国語辞典のひみつ』によると、芥川龍之介や夏目漱石も含め、日本人は昔からこの使い方をしていたのだとか。 》 道尾秀介
https://twitter.com/michioshusuke/status/842199926972923904
《 山城議長の勾留続く 那覇地裁、保釈決定を覆す 》 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017031802000137.html
《 おうニューヨークタイムズ言ってくれるじゃねーかw 》 ケミ介
https://twitter.com/chemisuke_sikyo/status/842484346699177984
《 「マイナンバー」ではなく「マイナーナンバー」だね(^_^) 》 岡口基一
https://twitter.com/okaguchik/status/842725937703616512
《 【ひとはなぜ風呂に入るのか?】自分が透明人間になったとき、お風呂に入るか?という質問。多くが毎日、 風呂に入ると答えるが、実際ひとりになり、誰とも会わなくなると、ほとんどの人は風呂に入らなくなるという。 》 フランス書院文庫編集部
https://twitter.com/franceshoin1985/status/842738046781050880
《 世界が沸騰してきたぞ、えらいこっちゃ! 》
《 ワーストレディ 》