「……とは何か」

《 では、美とは何。美は洗練にもグロテスクにもまたがっている、それらを超越した観念といえるだろう。 》
 と6日に記した。美とは何か。定義づけることは不可能というか無理筋な気がする。定義する先から美はすり抜けてゆく。 大岡信だったと記憶するが、「文学とは何か」と問うのではなく、するべきは「文学の可能性を追求することだ」といった 記述があった。同様に「美とは何か」を問うことよりも「美の可能性」を追求すべきなのだろう。なんてうつらうつら考えた。 美の本体、美の本質を追求、探求しても、実体のない影を追うようなもの。いや、その影を見て美を想起する。とギリシャの 美学を遠く思い起こしながら。美が人に及ぼす作用、感動、覚醒、混乱などの心の動きから、美を感知する。美は劇薬である。 けれども、それは誰にも効くものではない。と、いつもの結語に逢着。
 それにしても、私だけの、極私的な美というものもあるだろう。なぜこの美を他の人はわからないのだろう、というもの。 たった一人にだけ賛美され、その人の死後、他の誰からも無理解のままに忘却の底に沈んでいくものたち。そんなものは ほんとにあるのだろうか。そのものが本当に美を有していれば、必ずや他にもその美を感知する人がいるはずだと思う。
 美は作用することで、美を発現する。その作用が及ばない人は美を感知しない。美は人に作用し、感知されることで美は 発現している。ここには昨日の「石火之機」と同じことが言えると思う。しかし、このような美の考えは、辺境ならではの 考えかもしれない。西洋の美〜崇高の思想とはどこか違っている。辺境から烽火はあがる……。過熱気味だ、一休み。
 美、美しい、品、品格という言葉に囚われているのかも。そして創造、創造性との関わり。
 私がこれはいい、と評価するところから始まる美の遍歴。味戸ケイコ、安藤信哉、北一明……。私の評価した作品が後世 どんな評価を受けるか。伊藤若冲のように没後二百年近く埋もれている画家もいるからなあ。

 なんという暗合だろう。読み始めた高橋源一郎日本文学盛衰史講談社2001年初版。

《 わたしはプラトンの洞窟の比喩を思い出しました。影しか見えない世界の住人は、ついにその影の実体を知ることなく 生涯を過ごすのです。 》 110頁

 雨が止んだばかりの朝、源兵衛川の月例清掃へ。この天気では当然だが誰も来ない。染井吉野はまだ三分咲き。しっとりと 濡れそぼった静まった風景が独特の風情を見せている。水の苑緑地の池の畔の枝には五位鷺のこどもがじっとしている。 親鳥が餌を運んでくるのを待っていると隣の人。図体は大きいが、嘴が短い。伸びるのかなあ、と話す。
 午後、朝見つけてしまったヒメツルソバを駆除。他の場所も見てまわり、抜く。気が済んだ。

 ネット、いろいろ。

《 京都の人名録である『平安人物志』では、天明の大火以前の序列トップは応挙、2番目は若冲です。 》 五十嵐公一  『天皇の美術史』刊行記念鼎談
 http://www.yoshikawa-k.co.jp/news/n17793.html
 http://www.yoshikawa-k.co.jp/news/nc2910.html

《 「次はなんの話書かれるんですか?」「若冲です」「寂聴! いいですねえ。僕、寂聴大好きなんですよ! かっこいいですよね、寂聴って!」……いや、違うってば。 》 澤田 瞳子
 https://twitter.com/nono_sansan/status/850848814034436096

《 虚構新聞、フェイク記事の現実化で「お詫び」 経産省200億円政策を痛烈風刺 》 JCASTニュース
 http://www.j-cast.com/2017/04/07295122.html

《 永田メール事件の顛末(民主党執行部総辞任、永田議員辞職のち自殺)を考えると、「辻元デマ」に食いついたやつは 政治家なら辞任辞職、言論人なら恥ずかしくて当分謹慎するぐらいの話だけど、この国では「非を絶対認めない、 謝らない」ツラの皮の厚さが生き延びる秘訣なんだと実感。 》 外教
 https://twitter.com/yuantianlaoshi/status/850742961251827712

《 率直なところ、「故郷を捨てるのは簡単だ」発言だけで、以前ならば大臣辞任モノだったはず。それがろくに報じられず、 記者に突っ込まれて逆上する醜態を晒しても、いまだ辞める気配がないどころか、ネットでは大臣擁護論が澎湃として 巻き起こるところに、心底から恐怖を感じています。 》 墨東公安委員会
 https://twitter.com/bokukoui/status/850718218528317442

《 「大臣の座は簡単には捨てられない」 》 ぐちうら
 https://twitter.com/guchirubakari/status/849971664590839808

《今村大臣に果敢に質問を浴びせた西中記者は一部のブログやtweetで「活動家」と呼ばれています。共謀罪が成立すれば 「一般市民」はたちどころに「活動家」になってしまうであろうことに戦慄をおぼえます。 》  Koichi Kawakami
 https://twitter.com/koichi_kawakami/status/850671366177046528

《 今は、改憲の是非・改憲案の中身・政党支持率を云々している時ではない。フクイチ・もんじゅ・東海再処理施設、 何れかで廃止措置が進められないような事態になれば、日本は最悪の場合、滅亡しかねない。政治的なものも含めて、 全てのリソースを廃止措置三兄弟に注ぎ込むべき時。 》 春橋哲史
 https://twitter.com/haruhasiSF/status/850850952894533632

《 警察学校で,人の物を盗んではいけませんとか,教えるようにすればいいのに 》 岡口基一
 https://twitter.com/okaguchik/status/850550637301346304