『柾它希家の人々』ニ

 根本茂男『柾它希家の人々』冥草舎1975年初版を四十年ぶりに再読を終える。巻末近くから。

《 わたしども人間に試練として与えられました、徹頭徹尾な憎しみ、底も分からぬ悪意、冷酷、残忍、それとはまるで逆な過度の恐怖心、とてつもない知力と、 一堂に集めたようなさる家族がこの下界にあります。 》

 それが柾它希(まさたけ)家の人々。付録の「『柾它希家の人々』周辺」の山室静の言葉が記憶に鮮やか。

《 これは半産に終ったともいえる戦後文学の、その半産に終った名作の一つとしていいと思います。 》

 再読して想起した小説がある。池田得太郎『家畜小屋』。

 朝から境川清住緑地の田圃と水路の整地作業に参加。午後四時帰宅。節々がギクシャクする。参加者が少なかったので、つい頑張ってしまった。おかげで 早めに完了。私は疲れた人だが、柾它希家の人々は、憑かれた人々。