法月綸太郎『頼子のために』講談社文庫1993年初版を読んだ。裏表紙の紹介文。
《 「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ──という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が! 精緻構成が冴える野心作。 》
これでは読もうという気は起きないなあ。内容は二転三転、面白く、ハードボイルドの雄ロス・マクドナルドばりな展開に微笑を誘われる。「文庫版あとがき」から。
《 この長編を書いたのは、二十五歳の時、一九八九年の暮れから翌年の春にかけての時期である。 》
時期といえば、冒頭二行。
《 一九八九年八月二十二日/ 頼子が死んだ。 》
この残暑厳しい時に読んで正解。暑さをものともせず読み耽った。あやとりの場面を、あやとりサイトへ知らせる。
沼津市のギャラリー・カサブランカで牧村慶子展が始まった。いい絵が割安でそろっている。私が欲しいくらいだから。
ネットの見聞。
《 新刊書籍は消費税増税対応がすでにはじまっておるのですね
「 消費税変更の場合 上記定価は税率の差額分変更になります 」 》
《 大阪府立中之島図書館のドーム下部に銘板が飾られている「八哲」は菅公、孔子、ソクラテス、アリストテレス、シェークスピア、カント、ゲーテ、ダーウィン。 》
《 小説に比べ絵に流行り廃りがあるのはやむを得ない。70‐80年代の文庫・新書ミステリの表紙を見ててウーンこれはなあと思い、これならアニメ絵の方がいいよと思ったりするが、それも変わる。今のラノベの表紙絵がいっせいに時代遅れのブサイクなものに見えるときはきっと来る。そのときどうなるか。 》 芦辺 拓
《 「絵はどこに行くのか。それは分かりませんが、私の場合は展覧会がすむと、どこにもゆかず、確実にアトリエに戻ってきます」 》
《 バランスを取っていると、いい子ちゃんとして重宝される。それに対して、バランスを失うことの可能性はどこへと広がって行くのか。 》
ネットの拾いもの。
《 バイト忙し過ぎて「ご注文お決まりでござるか」って言っちゃってフリーズした私に「拙者ざる蕎麦で」「拙者もでござる」って返してくれて、その後ざる蕎麦持って行ったら「かたじけない、いただくでござる」って割り箸パキンって割ったサラリーマン二人組にときめいたのが今日のハイライト。 》