「隻眼の少女」

 麻耶雄嵩『隻眼(せきがん)の少女』文藝春秋2010年2刷を読んだ。

《 どこか現世と隔絶したような雰囲気で、完全に女性と判るソプラノヴォ イスを除けば、全体的にニュートラルな少女だ。 》 20頁

《 右目は髪と同じく漆黒なのだが、左目がわずかに碧(みどり)がかって いる。よく見ると、右目は潤み自然に動いているのに対して、碧の左目は 人工的でまったく動かない。どうも義眼のようだ。 》 22頁

《 隻眼の美少女探偵 御陵(みささぎ)みかげ、降臨! 》

 と、帯。十七歳。微少女という印象。ワクワク。長野県の山奥、旧家で 起こった残虐な連続殺人事件。犯人は家族関係者のなかにいる! 微少女 探偵初挑戦。そして敗北。やがて十八年の歳月が流れ……。再び殺人事件が。

《 結局十八年経った今も、犯人はまだ野放しなのだ。 》 337頁

《 「正直なところ、私にも自信はありません。でも私はやらなければなり ません。御陵みかげの名前を受け継いだかぎり、その名を穢さないように」  313頁

《 「はい。カラーコンタクトです」みかげはあっさり認める。会った当初は 気づかなかったが、みかげの左眼は右目と同じように動いていた。 》  346頁

 そして露わになる仰天の真犯人と隠された真実。驚天動地の真相。傑作。 本格推理小説の醍醐味だ。タマラン。

 ネットのうなずき。

《 ヤジ問題に腹の虫がおさまらない。
  ヤジを飛ばした人物だけに腹が立っているわけではなく、それが許さ れる雰囲気で成り立ってきたであろう議会の環境、オヤジ議員たちの傲慢、 その先には未だに時代遅れのオヤジ社会が日本でグルーヴしてることに、 とどのつまり、腹が立つんだよね。根は深いよ。 》

 ヤジ、オヤジ……。

《 鉄砲の持ち方も知らないアホがよりによって防衛副大臣になる国です。 》

《 戦争犯罪原発犯罪を引き起こした国家から学ぶべき点は、為政者をも 含めた支配階級が強欲で、その欲深さに加えてあまりにも愚かなせいで墓穴を 掘り、取り返しのつかない結果を差し招いたところで、自責の念に駆られること など絶対になく、しかも、時が流れるとふたたび同じ過ちをくり返すことだ。 》  丸山健二

 ネットの拾いもの。某オークション。

《 本作品は、鑑定は受けていません。従いまして、真作保証は致しません。
  各自の御判断によりまして、入札・落札をお願い致したく存じます。 》