ブックオフ長泉店で三冊。安岡章太郎『果てもない道中記 下』講談社1996年2刷帯付、東君平 『はちみつレモン』くんぺい文庫2011年初版、夢枕獏・編著『空海曼荼羅』学研M文庫2012年初版、 計324円。『はちみつレモン』は詩「新宿」が収録されていたので。
源兵衛川の隣の蓮沼川にはカモのヒナ七羽がチョロチョロ泳いでいる。
源兵衛川上流部のヒメツルソバを一時間ほど、抜く。チョロチョロで土のう袋半分ほど。 軽い汗を感じて帰宅すると、郵便受けに齋藤磯雄譯『惡の華』東京創元社創元選書1984年 初版帯付が。1500円。帯には一行。
《 香氣溢れる名譯 》
一昨日昨日と採りあげた齋藤磯雄『ピモダン館』を読む時は、国語辞典と漢和辞典とが、 文字通り座右の書となった。本文最後の一文。
《 ──とこしへに再び見出し得ぬ人を──泯(ほろ)び去つた知的一王朝の最後の苗裔を 想ふ。 》 「先師追懐」
苗裔=びょうえい=子孫、末孫。その先師とは、阿刀(阿藤)伯海(1894-1965)。
http://www.city.asakuchi.lg.jp/kurashi/bunka-sports/bunkazai/documents/20140706090302.pdf
齋藤磯雄の文から日夏耿之介(ひなつ・こうのすけ)へ関心が向き、昨日の篠田一士(はじめ) の引用は、日夏耿之介の詩の解説の一部。
《 日夏耿之介詩集を日本象徴派の線上に置くことは、史的展望として、まず間違いのないところ だろう。だが、この派の詩人とちがって、彼には、日常的な平面に屹立する創造的宇宙を構築する 意志が実に截然と認められるのである。気分的ではなしに、本格的なサンボリスムの知的操作を 営もうという決意が彼の詩業を一貫していることは否定すべくもない。 》
『日夏耿之介詩集』思潮社・現代詩文庫1976年初版を開いて清岡卓行「日夏耿之介の詩の魅力」 に目を通す。
《 私がはじめて日夏耿之介の詩を読んだのは、旧制高校の二年生になった頃で、十九歳のとき である。太平洋戦争が起って半年近く経っていた。高校の漢文の先生の阿藤伯海、──日本における 最後の優れた漢詩人かもしれないひとの勧めによるものであった。 》
《 さて、私は最近になって、日夏耿之介の詩集をふたたびまともに開いたのであった。その動機は いろいろで、自分にも充分には捉えられないが、その一つが、阿藤伯海の漢詩集『大簡詩草』 (一九七○年)を読んだことにあるのはまちがいない。 》
《 『大簡詩草』においてむずかしい漢字をたくさん眺めたせいか、今度は日夏耿之介の用いる 漢字に辟易しなかった。 》
清岡卓行には阿藤伯海(あとうはっかい)への敬愛の念をうたった伝記小説『詩礼伝家』1975年がある。
阿藤伯海は東大で川端康成と同級。日夏耿之介と北一明は飯田市出身。翁長雄志沖縄県知事と 菅義偉官房長官は、法政大学法学部に同時に在学。
ネットの見聞。
《 <翁長知事冒頭発言全文>「粛々」は上から目線 》 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241475-storytopic-3.html
《 このところ司法の方が立法や行政より時代の変化に敏感だと感じます。司法改革の成果のひとつ だとしたら歓迎です。婚外子差別も違憲判決が出てようやく立法府が動きました。夫婦別姓訴訟も おそらくそうなるでしょう。脱原発も市民感覚に近いのは司法の方です。これまでは司法は行政府の 走狗と思われてきました。司法がその独立性を主張すべきときが来たようです。 》 上野千鶴子
http://wan.or.jp/ueno/?p=4909
《 最近の曽野綾子によるアパルトヘイト擁護の論の愚劣さは英国の日本観察者に衝撃を与えた。 日本ではこのような見解が真剣に受け止められ、活字になるということがわれわれにはほとんど 信じがたいのである。安倍晋三首相がどうしてこのような意見の持ち主を教育政策のアドバイザーに 任命することができたのか私たちには理解できない。 》 Japan Times の記事から 「日本の厄介な歴史修正主義者たち」
http://blog.tatsuru.com/2015/04/15_1013.php
《 これほどずさんな生煮えの企画がそのままの形で実現され、4館もの国公立美術館 (東京国立近代美術館・名古屋市美術館・広島市現代美術館・京都国立近代美術館)で 麗々しく公開されてしまう――あえて言えば「国辱的」なこの惨状を見ると、日本の美術館も 落ちるところまで落ちたと言うほかはない。 》 浅田彰
《 アートと公衆をナメてはいけない。このことさえ意識していれば、ヤゲオ財団コレクション展の ような恥ずべき愚行を繰り返すことは絶対にないだろう。 》 浅田彰
http://realkyoto.jp/review/guess-what-hardcore-contemporary-arts-truly-a-world-treasure/
ネットの拾いもの。
《 犯罪者の幼少期。「目立たない地味な性格。とてもあんな大それたことをするとは――」。 おれがなんかやってとっ捕まったら「目立った奇矯な性格、いつかこんなことをするのではとーー」。 だろうね、やっぱり。 》