結城昌治『終着駅』中央公論社1984年初版を読んだ。再読かも知れないが、忘れた。全六章。 敗戦後の混乱期から朝鮮戦争までの東京が主な舞台。全編殆どが独白と会話、手紙で構成される。 その向こうに見える庶民の姿。焼跡闇市の世の無常と無情。女に愛想をつかされ、逃げられ、 それでもなんとか生きていくしかない男たちの哀感。やるせない、けれども、仕方ない。人々は死に、 歳月は流れ、戦後も三十八年が過ぎて物語は輪を閉じる。軽やかに読み進み、読後に重い敗戦後の時代。 吉川英治文学賞受賞作。
昨夜、年上の女性画家に久しぶりに電話。近況を語り合う。国立新美術館のニキ・ド・サンファル展に 行ったと言う。初期の射撃作品がよかった、と。私も気になっている。上野にあったギャラリー「スペース・ニキ」 の女性オーナーが亡くなっていたことを知る。四半世紀前、そこで上條陽子さんの企画展があった。『上條陽子画集』 パルコ出版の感想を認めた手紙のコピーを、上條さんが来場者に配っていた。同意したけど、本当に配るとは。 上條さんから手描き看板(紙)を恵まれた。「ニキ」のオーナーはニキ・ド・サンファルの個人美術館を開いたが、 閉館していた。
上條陽子さんは新潟県に、上記の彼女は山梨県に倉庫を借りて絵画や立体作品を保管している。行く末が気がかり、 と言う。具眼の士がいい作品を掬う、と私は楽観視している。
昼前、昨日発見した駿豆線軌道の痕跡を買ってきた使い捨てカメラで撮る。
午後、イトーヨーカドー三島店へ行き、アンナ・カヴァン『氷』ちくま文庫2015年初版を買う。270頁ほどで 900円とは。初版は何部だろう。なんて思って靴売り場を覗くと、年下の女性から声をかけられた。十年ぶりか。 全然変わらない!と言われる。そうかなあ、成長してないんだ。自転車で帰る途中、イタリア人シェフから 挨拶される。自宅裏のお寺を歩いていて、人だかりの中から県会議員に挨拶される。ワルイことできねえなあ。
ネットの見聞。
《 最近ケンタッキー食ってないな。 》
思い出して地図帳でアメリカのケンタッキー州を調べる。内陸の田舎じゃん。数日前、行きつけの店で 初対面のカワイイ白人女性に話かけた。スリムな体型なのでイギリス人かと思ったらUSAは ケンタッキーから来た語学教師という。名刺を渡して、男は度胸、拙い英語を思い出し使う。最後に "U-n, I must not be stuck on you. " とお馬鹿な一言を。あは。
《 無謀だったかも知れないが、決して不毛ではなかった。 》
《 白紙撤回となった先の東京五輪エンブレムの審査委員であった平野敬子さんのブログ 》
http://hiranokeiko.tokyo/
《 分析哲学の歴史を読んでいて思うのは、ヴィトゲンシュタインはその後の議論の輪郭を深部で定めた という意味において、コンテンポラリーアートにおけるデュシャンとよく似た位置にいるということだ。 》 森岡正博
https://twitter.com/sukuitohananika
《 辺野古に反対する翁長沖縄知事が「変節ではない」理由 》 ニューズウィーク日本版
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151023-00158429-newsweek-int
《 【特定秘密保護法 全文】 》 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/himitsuhogo/news/131206zenbun.html
ネットの拾いもの。
《 アラビア人で字が下手で、あのアラビア文字が金釘流だったら凄いだろうね。 まさか、国際政治の場で齟齬を生じたりしていないよねえ。 》
《 そのうち他人のマイナンバーをSNSにアップするというイジメが多発するような気がする。 》
《 古本屋の均一で『五郎丸の生涯』という本を見かけた。犬の話だった。 》