『肉眼の思想 現代芸術の意味』補遺

 大岡信『肉眼の思想』中央公論社1969年初版で「おっ」と驚いた記述。

《 雪舟について、「秋冬山水」(東京国立博物館)や毛利家山水長巻の剛直、雄勁よりも、下絵にすぎない 「天の橋立図」の方が親しみ深く、心に深く触れてくる息吹をもっているとする見方があるのも、また同じような 文脈に属する事例だろう。 》 208-209頁

 下絵にすぎない「天の橋立図」。先月25日に取りあげた赤瀬川原平山下裕二『日本美術応援団』ちくま文庫から。

《 山下 紙の継ぎ方もずいぶんとランダム。この絵は下絵だったろう、というのが今有力な説なんです。 》  26頁

 大岡信の文章は1967年4月の発表。三十年前に「下絵にすぎない」と見ている。慧眼だ。
 『肉眼の思想 現代芸術の意味』中公文庫1979年初版、飯島耕一の解説から。

《 この故郷三島もまた、彼の肉眼を支えるものの一つであることはまちがいない。 》

《 「理解魔」(と彼はしばしば渾名される)大岡信という詩人 》

 やはりなあ、理解魔だ。

 昼前、源兵衛川の終着地、温水池から流れる用水路の一つ、三面張りの水路でカワニナをバケツ半分ほど採取。 これ以上だと、自転車で運ぶので、カワニナを傷つけるおそれがある。ホタルを養殖している塚田冷子さんに手渡す。

 午後、おもたせの山葵を手に風邪をひいた友だちを見舞う。新品のコートを褒められる。これを見せたくて行った。 うれしい。帰りにブックオフ長泉店へ寄る。井上理津子『旅情酒場をゆく』ちくま文庫2012年初版、近藤史恵 『ホテル・ピーベリー双葉文庫2014年初版、計216円。
 ちくま文庫には酒場探訪記が何冊もある。手元の題名だけあげると。『下町酒場巡礼』『下町酒場巡礼 もう一杯』 『酒場めざして 町歩きで一杯』『東京裏路地〈懐〉食紀行』など。酒場は好きだけど、殆ど行ったことがない。 けど行きたい。三島にも名店あるある。酒と女にはめっぽう弱い。酒に溺れる前に女に溺れる。で、なるべく 寄らないよう自戒自戒の日々。しかし、それで何の人生ぞ、と思うこともある。女性関係ではひどい人生だったなあ、 とも思うし、まあ、溺れて振られたが、ヨカッタ、とも思う。溺れなかったら……なんと品行方正な……つまらぬ人生、 だったろう。ま、女性のことを書けばきりがない。殉愛じゃあ。

 ネットの見聞。

《 米大統領選の候補者はついに全員が「TPP反対」になりました。さあ、日本政府はこれからどうするんでしょう。 僕の予測は「ほおかむりをして二度とTPPのことは話題にしない。官房長官も記者からのTPPに関する質問には 『適切に対応する』としか答えないでそのうちうやむやにする」です。 》 内田樹
 https://twitter.com/levinassien/status/710626662430298112

《 しかし、なんだよな。東芝、シャープという基幹産業の大企業がぶっ潰れる寸前で、 外食産業ほぼ壊滅という状況で、ベアも渋りがちという状況で、なんで好景気なんて言えるんだろう。 あのおっさんは単に原稿の「コーケーキ」を読んでるだけなのか。 》 藤岡真
 https://twitter.com/fujiokashin/status/710442121405145089

 ネットの拾いもの。

《 第一の矢 安倍ちゃん退陣
  第二の矢 公務員給与削減
  第三の矢 子供給付金

  以上誰でもわかる景気対策 》

《 俺の下半身に一本矢があるぞ 》

《 今日はイトーヨーカドー「8ピイデー(ハッピーデー)」かつ、天丼てんや「18日(てんやの日)」かつ 池袋ふくろ毎月8の日「ふくろの日」で半額なので混乱は必至。ここらには近付かない。 》