『ブルーノートの研究』

 夏バテはまだだけど、この暑さ、外出にビビる。できれば、と依頼された午前のイヴェントのお手伝いはキャンセル。 手紙は出しに行かねば。ふう。美女に弱いうえに真夏にも弱いとは。昼食後出ようとしたらポツポツ。雨にも弱い。

 一昨日ジャズLPレコード・ジャケットを近所の店の壁に展示してから全く久しぶりにジャズ熱がぶり返す。 なにせ平成になってからジャズ・アルバムを購入した記憶がない(調べたら新作CDを何点か買っていた)。 相倉久人『ジャズからの出発』音楽之友社1973年とは違うが、ジャズ以外の音楽、ギリシャなどに惹かれていった。 今にして思えば1973年、東京を離れたせいだろう。ジャズ・シーンの生の音楽を身近に体験できなくなった。 クラシックをはじめ世界各地の音楽を経巡り、そしてジャズたらしめているブルー・ノート・スケール、この音程、 ここに最後に戻る。やはり、モダン・ジャズなくして……音楽は(いら)ない。山下洋輔ブルーノートの研究』 (『JAZZ』ジャズピープル社1975年9月号掲載)を読んだ。ブルーノートとは、某辞書から。

《 ジャズ音楽において、音階中のある音程に対する名称である。主に三度と七度であり、それらはフラットと ナチュラル両用に用いられ、(中略)しばしばその中間の故意に「間違った」音程で演奏される。結果として 形づくられる「ブルース・スケール」はブルースの特徴である。 》

《 ブルー・ノートの機能の本質を解明するには、コードとの垂直的、同時的な関係ではなく、むしろ水平的、 時間的な関係をとらえなければならない。したがって、楽曲中のブルー・ノートについて便宜上の呼び名が必要ならば、 それはブルー・ノート含む旋律の終止音、すなわち楽曲のトニック、からの音程によって呼ばれるべきである。 》

《 注6 完全に半音下るとはかぎらないから、七度のブルー・ノート、五度のブルー・ノート、三度のブルー・ノート という呼び方が正確である。 》

《 さて、ブルー・ノートが独立した個々の音ではなく、このような、ブルース旋律のパターン、というべきものの 中で認知されるものであるとすれば、次に明らかにされなければならないのは、どのような要素(演奏以外の、 リズムや音色等を含めて)が、どのような組み合わせになって、そのようなパターンが生ずるのか、ということであり、 さらに最も重要な問題は、ある組み合わせ(たとえば音の順序)をそのように決めている原理がいったい何であるか、 ということである。 》

 以下採譜された楽譜を元に論及されてゆく。これは楽譜の門外漢には理解の外。知人の娘さん、東京芸大の楽理科を 出た人に解説でもしてもらうほかはない。んな小難しい文章を読む後ろからはモダン・ジャズ。いいねえ。
 他のページに二宮清隆「来たから北へ 最終回 旭川にジャズを求めて」。

《 すぐれて文化状況を創造するひとびとは確かにいるが、こうしたひとびとに《場》をあたえるために、決して商売上、 得にならないことをする彼女らの活動も、同じ不確定な稼業をやっている一人として支持したいと思うのである。 》

 四十五年前、旭川のジャズ喫茶は訪ねなかった。北の最果て、稚内の「トモヱ」は行った。マッチ箱が手元にある。

 ネットの見聞。

《 2016年のマイルス・デイヴィス  》 小室 敬幸
 https://note.mu/kota1986/n/nbfc6cc0a7ae4

《 書評  MILES:Reimagined 》 ジャズ研ジャズ喫茶部さん
 http://jazz-kissa.jp/column05-milesdavis-reimagined

《 Pink Floyd - Atom Heart Mother Live Japan - Incident At Hakone 1971  》 ピンク・フロイド
 箱根アフロディーテ。行った。

《 「それが何の役にたつの?」という言葉は貧乏根性の極致。 》 林由紀子
 https://twitter.com/PsycheYukiko/status/760612360528596992

《 新しく防衛大臣となる自民党稲田朋美議員は、日本会議神道政治連盟の懇談会ダブルで、河野談話を否定し、 東京裁判を否定し、靖国神社に恭しく参拝し、戦前の国体思想を全面的に肯定・賛美する人物。そんな防衛大臣に、 自衛隊員は従うことになる。 》 山崎 雅弘
 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/760382525613023232

《 辻田真佐憲さんの新著『大本営発表』(幻冬舎新書)。大本営報道部の強権や弾圧について言及するのはもちろん、 これと癒着して利益供与を受けていた報道機関についても鋭い批判の目を向ける。「政治と報道の一体化」がもつ危険性を、 2016年の「今」の世相に重ねて指摘する手腕は鮮やか。 》 安田清人
   https://twitter.com/sanzarutaishou/status/760330834373062656

 ネットの拾いもの。

《 オレがまだ観ていないというのに、シンゴジラの話を呟きまくる輩の家に、 かたっぱしから危険物を送りつけてやりたいと思う昼下がり。 》