「闇の復活」

 昨日の西岡文彦編著『図解:名画の見方』宝島社から。

《 そして、この時から名画とは画家たちが唯一絶対の規範とし得る傑作ではなく、なにより見る側の人々に愛され、 広く知られる作品のことを意味し始めたのである。 》 182頁

 昨日書いたように、時代は変遷し、螺旋状に巡り、昔の位置に揺り戻したしたように見えることもままある。歴史に長く 埋もれていたジョルジュ・ド・ラ・トゥールヨハネス・フェルメールは、印象派の出現と歩みを合わせるかのように 再発見、再認識された。宮下規久朗は『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』岩波書店2016年初版に書いている。

《 三○○年後にマネや印象派の画家たちがそこから多くを学んだが、彼らはベラスケスの境地にはとうてい近づけなかった。  》 84頁

《 ラ・トゥールほど見事に光と闇の象徴性を表現した画家はいなかった。(中略)ラ・トゥールの画面に光る焔は、 現代になってますます輝きを増すのである。 》 106頁

《 フェルメールは、物語的なモチーフや劇的な設定がなくとも、光の存在そのものがひとつのドラマになりうることを 示したのだった。 》 152頁

《 しかし、闇は芸術を生み出す母体であり、この世に光と闇がある限り、闇の芸術は求められ続けるにちがいない。 》  198頁

 西洋美術館でのカラヴァッジョ展を見た後、常設展示を見たが、現代へ近づくほどに見応えのある絵が減少〜途絶えた。 地上の軽快さに満ちているけれども、地下への、地下からの視線をも含有した深い絵には、私は遭遇しなかった。ここには 川村記念美術館にあるマーク・ロスコシーグラム絵画がない。管見では二十世紀の絵画で地下〜地上を貫く視線を感じる 深い西洋画は、マーク・ロスコくらいではないかと思う。日本では味戸ケイコ。

 昨夜冷房を27度に設定して睡眠。早朝涼しい気がして止める。朝食後眠気に襲われる。昼まで惰眠。昼食後西向きの部屋の 温度は34度(温度計、狂ってないよな)。でも風が通り抜けて心地よい。体は今、快調。しかし、木のパソコン台は熱いわ。 28度で冷房。食料の買い出し。おお、強烈な日射し。歩道の照り返しがきつい。帰宅、水を浴びる。パソコン台は熱くない。

 ネットの見聞。
《 去年惜しくも閉店してしまった吉祥寺の絵本屋「トムズボックス」のピンバッジ取り扱っております。 夏なので白いTシャツにワンポイントでいかがでしょうか! 》 PAPER WALL エキュート立川店
 https://twitter.com/PW_tachikawa/status/761746041112702976
 トムズボックスでは宇野亜喜良のピンバッジを五個購入。
《 50年ぶりに新しくなる洗濯表示 》 経済産業省
 http://www.meti.go.jp/main/60sec/2016/20160804001.html
 ネットの拾いもの。
《 そう言えば、中学生のときには、ビートルズの「ペーパーバックライター」はタバコに火をつけるライターのことだと ずっと思ってたよ。いったいどんなライターだろう、ビートルズすごいなって。 》 森岡正博
 https://twitter.com/Sukuitohananika/status/761826189463859200
《 アルプスの熟女ハイエイジ 》 うきわ
 https://twitter.com/Geda_2/status/761589996482498560
《 タイガー・ジェット・シンゴジラ 》