加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第四章 再び転換期」を読んだ。
《 比喩的にいえば、「鎌倉仏教」は、日本の土着世界観の幾世紀もの持続に、深くうち込まれた楔であった。 その影響がいかに拡り、いかに展開していったかということの裡に、鎌倉時代の、さらに室町時代にまで及ぶところの、 もしそれを一括して「中世」と称ぶとすれば、まさに「中世」文化の問題の眼目があるだろう。 》 280頁
《 しかし政治上の革命が、「イデオロギー」の改革を伴う場合にさえも、文学・芸術の広汎な創作活動を支える階級の 交替を、意味するとはかぎらない。二重政府の政治的体制は、まさに宗教上の旧仏教と新仏教との二重構造に反映していたが、 同じ意味での文化の二重構造に反映していたということはできない。貴族と僧侶は、学問と文学、また芸術上の権威を 独占しつづけ、新興の武士階級はその後を追っていた(将軍実朝さえも)。 》 281頁
《 かくして第二の転換期(一三世紀)を特徴づける文化は、新興の仏教とその新しい階級との係り、武士権力の強大な 社会のなかで疎外された貴族階級の反応、読者(聴き手)層の拡大と武士・大衆の世界の表現、──以上の三点に要約して 説明することができる。 》 283-284頁
《 『十住心論』の空海は、体系的であり、包括的であって、抽象的な概念的秩序の建築において天才的であった。 『正法眼蔵』の道元は、非体系的であり、体験的であって(一箇の体験の特殊性と非還元性)、抽象的なものから具体的な ものへ、具体的なものから抽象的なものへ、いわば上下する迅速な運動において天才的であった。 》 306頁
《 そしてまさに、鎌倉仏教が平安朝の旧寺院に対して戦闘的あったときに、『新古今集』の美学は武士権力の作り出した 新しい社会に対して戦闘的であった。親鸞が関東の大衆を獲得して勝利を収めた時代に、『新古今集』の美学は武士を改宗 させることに成功した。すなわち西行と実朝である。 》 322頁
《 定家は文化を擁護し、建礼門院右京太夫は失われし時をもとめ、鴨長明は退いて観察し、慈円は日本語ではじめて「歴史」 を書く。これが平安朝文化最後の知識人たちの、新時代に対する反応であった。そのすべてに共通したいた特徴は、自分自身と 貴族社会以外の、武士にも大衆にも何らの同情をもたなかったということであり、新たに興った鎌倉仏教から何らの影響も うけなかったということであり、殊に彼らが書いたときには、彼らの仲間・貴族社会のために、またそのためにのみ、 書いたということである。 》 336頁
《 (すでに述べたように、浄土信仰が鎌倉時代の宗教的精神を特徴づけるのではなく、法然・親鸞の阿弥陀経信仰の超越性が 特徴づけるのである)。 》 339頁
ネットの見聞。
《 近年、蔵書処分をめぐって悩む人が増えているそうで、1つの世代的な現象なのかもしれません。 》 紀田順一郎
http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2017/021201/index.html
美術でも同じ現象が雪崩をうって現れる予感。
《 隈研吾も参入!建築界「屋台ブーム」の舞台裏 》 三浦展 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/158062
《 安倍晋三は、TPPへの復帰で、粘り強くトランプを説得するといっていましたよね。しかし、 どこにもTPPなどでませんでした。安倍奴隷政権の正体など、この程度のものです。トランプに会えば、借りてきた猫です。 大言壮語は国内だけのことでした。 》 兵頭正俊
https://twitter.com/hyodo_masatoshi/status/831112482630488064
ネットの拾いもの。
《 浪曲の文句にあるように、「義理と人情、秤にかけりゃ」っていうくらいだから、「義理チョコ」の反対は 「人情チョコ」じゃないのかな。「愛情」だと思ったら大間違いだ。 》 佐藤晋
https://twitter.com/roug02/status/831524841811386368
きのうもらったチョコは……「人情チョコ」か。
《 単行本買ったけど、読む前に埋もれてしまった……。掘り出さねば。 》 日下三蔵
https://twitter.com/sanzokusaka/status/831205102618767361
掘るほどではないが、見つからない……。
《 いやよ+いやよ+いやよ+いやよ+いやよ+いやよ=いいわよ 184+184+184+184+184+184=1104 》 一目置かれる雑学
https://twitter.com/trivia_hour/status/831461416250941440
いやよを三回言われればあきらめる、は間違いだったか。
《 結婚は何度でもやり直していいけど、結婚式は二度としたくない。 》