『アウトサイダー・アート入門』再び

 最近アウトサイダー・アートが周囲で話題になり、椹木野衣アウトサイダー・アート入門』幻冬舎新書2015年初版、前半を再読。 闊達な文章にぐいぐい惹き込まれる。

《 少なくとも現在、公的な美術館で長く後世に伝えるために保存・公開されている近現代美術のコレクションの大半や、格調高い 現代音楽のコンサートで演奏されているような難解な楽曲のほとんどは、100年後には誰も鑑賞せず演奏もしない過去の遺物となる 可能性が高い。しかしそれは別に特異なことではなく、歴史的に見れば、むしろそういうことのほうが自然なのだ。現在、優れた芸術 として高く評価されている「作品」といえども、しょせんは現行社会の価値観の反映でしかない。芸術にまつわる価値判断が将来的には 大幅に刷新されることが避けられない以上、過去も含め未来に評価される芸術は、今もてはやされているものとは様変わりすると 考えたほうが順当だ。いずれ私たちの子孫が、かれらのアートの起源を20世紀や21世紀に求めるとき、現行の美術史や音楽史で価値ありと されているもののうち相当の部分が書き換えられていることは、おおいにありうることなのである。 》 50-51頁

 海外、日本のアウトサイダーたちが、生き生きとした描写で鮮やかな実体を現す。そしてじつに深い洞察により、彼らの美術の底知れぬ深さ、奥行きをあらためて実感。特に 昭和新山を観測した三松正夫、宗教家の出口なを、王仁三郎の評伝と評価に感銘。引用したい箇所は多々あるが、キリがない。

 昼前、ブックオフ長泉店で文庫を二冊。柄刀一『猫の時間』光文社文庫2016年初版、三木卓『裸足と貝殻』集英社文庫2005年初版二重帯、 計216円。
 正午には夏日。風が強い。

 ネット、いろいろ。

《 「佐川理財局長の答弁を完全に崩壊させる新資料が発覚! 」菅野完 》 HARBOR BUSINESS
 https://hbol.jp/136814/2

《 容疑者の「逮捕事実」は伝えるべき。さもないと権力はしている事を隠蔽する。突然に人が消える中国と同じ国になる。 しかし逮捕事実と有罪推定報道は全く違う。この差異を無視し、警察目線の犯人視情報をただ垂れ流すメディアが多いのが現実。 》  清水 潔
 https://twitter.com/NOSUKE0607/status/853872050636603392

《 飽きずに現場での環境改善活動をこだわって継続中(平成29年4月17日) 》 渡辺豊博
 http://www.gwmishima.jp/modules/tubuyaki/index.php?lid=44&cid=1

《 失敗を笑って失敗に学べ、スウェーデンに失敗博物館が登場 》 ニューズウィーク日本版
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7427_1.php

《 優秀な閣僚が辞めたり任官拒否するのがトランプ政権。
  最初から閣僚がバカなのが安倍政権。 》