伊良子清白『孔雀船』岩波文庫1988年7刷を読んだ。長短十八篇の詩から成るその多くの行が五音七音の五調七調で 構成されている。長編詩「夏日孔雀賦」の第一連。
園の主に導かれ そののあるじに みちびかれ
庭の置石石灯籠 にはのおきいし いしどうろ
物古る木立築山の ものふるこだち つきやまの
景有る所うち過ぎて けいあるところ うちすぎて
池のほとりを来て見れば いけのほとりを きてみれば
棚につくれる藤の花 たなにつくれる ふじのはな
紫深き彩雲の むらさきふかき あやくもの
陰にかくるゝ鳥屋にして かげにかくるる とやにして
番の孔雀砂を踏み つがひのくじゃく すなをふみ
優なる姿睦つるゝよ いうなるすがた むつるるよ
地に曳く尾羽の重くして ちにひくおはの おもくして
歩はおそき雄の孔雀 あゆみはおそき をのくじゃく
雌鳥を見れば嬌やかに めどりをみれば たをやかに
柔和の性は具ふれど にゅうわのしゃうは そなふれど
綾に包める毛衣に あやにつゝめる けごろもに
己れ眩き風情あり おのれまばゆき ふぜいあり
「五月野」第一連。
五月野の昼しみら さつきのの ひるしみら
瑠璃天の鳥なきて るりてんの とりなきて
草長き南国 くさながき みなみぐに
極熱の日に火ゆる ごくねつの ひにもゆる
朗唱に向く、いや歌唱に向くというべきか。帯文には《 その清純なリリシズムは読む人の心に沁み透る. 》。清純なリリシズム。 私から既にはるか遠くへ去っていたもの。13日の引用。日夏耿之介(ひなつ・こうのすけ)と伊良子清白(いらこ・せいはく)。
《 日夏の評論は文壇に深い衝撃を与えた。伊良子清白の名前はもう完全に忘れられていたからである。人々は争って『孔雀船』 再刻本を読み驚愕した。それほどの優れた詩集がどうしていままで忘却の淵に沈んでいたのか理解できなかった。 》
文庫の中山省三郎の解説から。
《 かくのごとく正当な評価を与へられなかつた詩集「孔雀船」が、ほんの一部の具眼者にではあるが、日と共にその価値を 認められるやうになつたのは、十年二十年の月日を経て、稀覯本中の稀覯本となつた頃からである。 》
卓越した作品ほど正当な評価は遅れる。いつの時代も同じ、か。
ネット、いろいろ。
《 重婚ウェディングってなに?経産省でこれから流行らせるのかな? 》
《 そういえば、籠池氏と昭恵氏が二人きりで金を渡したかどうかという件は、その後どうなったのだろうか? 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/854991040951894017
《 福島県で急速に増え始めた小児甲状腺がん
「臭い物に蓋」をしては後で大問題に、チェルノブイリの経験生かせ 》 鎌田 實
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49766?page=4
《 大正14年(1925)4月21日、治安維持法が公布されました。この法律は「国体」の変革と私有財産制度の否認を目的とした 結社を組織することや、そこに参加することを取り締まるものでした。画像は、治安維持法公布時の閣議書です。 》 国立公文書館
https://twitter.com/JPNatArchives/status/855194545444851712
《 「あの戦争で軍人が戦ってくれたおかげで今の日本がある」「戦後の平和と繁栄がある」等のトリックを信じてしまう人は多いが、 事実はその正反対で、「当時の軍人が守ろうとした国家体制と政治思想」が敗戦で粉々に壊れ、全くそれと違う国家体制と 政治思想が導入されたことで、戦後の平和と繁栄がある。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/854937056304275457
《 「ウォシュレット」と言っていいのはTOTO製だけ。これはINAXだから「シャワートイレ」 》 岡口基一
https://twitter.com/okaguchik/status/855198503697391616
《 時々思うけど、アート回りの人は、有名アーティストは世の中の誰でも知ってて当然、みたいな感覚になってることあるよね。 私も前はそういう傾向があった。
自分の関心分野が世の中全体からしてどれほどのものか、時々引いて見ることは大事かもしれない。 》 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら
https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/854987482751934465
《 誰か麻生太郎をフクイチ二号機炉心にご案内して
もう帰ってこなくていいから 》