「ゾンネンシュターン、それは私だ」

 1980年代のサンリオ・ギフトブックの調査は見送り。気になる本はわずか。

 数日前、知人女性から届いた手紙には東京ステーションギャラリーのアドルフ・ヴェルフリ展の感想が記されていた。

《 アドルフ氏の絵は、こちら迄狂人になってしまいそうでしたが、何故か引き込まれて、ぐったりして帰ってきました。 》
 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201704_adolfwolfli.html

 1974年、東京池袋の西武デパート特設会場で催された『月の道化師──預言の画家 ゾンネンシュターン展』にふれて返事を投函。 ゾンネンシュターンとは。パンフレットの記事から。当時彼は82歳。

《 60年代の初頭、ハンス・ベルメールアンドレ・ブルトンらパリのシュルレアリストグループがゾンネンシュターンを国際 シュルレアリスト展に招待して以来、シュレーダー=ゾンネンシュターンの国際的声価は急速に高まった。同時に精神病理学者たちの 間でこの特異な画風をもった色鉛筆画家は騒然たる論議の対象となり、ゾンネンシュターンは、一躍、「狂人か、天才か?」の センセーショナルな論争の渦に巻き込まれた。 》

 返事には図録の種村季弘の論説「ゾンネンシュターン、それは私だ」の一部を引用。自叙年譜から。1892年生まれ。

《 1917年 ロシア=リトアニア国境近くで補助配達夫として郵便業務に従事、国境密売人となる。逮捕されて精神病院に護送さる。
  1918年 精神病院脱走。脱走の日から2週間後に、憲兵2名、警官2名、看護人2名が隠れ家にいた私を強制拘引しにくる。 》

 ビックリ仰天の絵だった。記憶をいくら探っても似たような作風はどこからも浮かんで来ない。当時はアウトサイダー・アートなる 言葉は全く知らなかった。谷川晃一は図録に書いている。

《 ゾンネンシュターンの絵には何ものの影響も見ることは出来ない。 》

 シュレーダー=ゾンネンシュターンで検索すれば、画像が観られる。1974年は銀座資生堂画廊の安藤信哉展へ行っている。初めての 画廊訪問だった。年配の立派な紳士が居並んでいて、青二才の私は当惑し、居心地の悪い思いをした。安藤信哉の新作の大胆な筆致に、 その時はただ乱暴な筆遣いとしか見えなかった。ゾンネンシュターンとは正反対、えらい違いに面食らった。今なら二人のかけ離れた 作風にかかわらず、自由闊達な精神に通じるものを感じる。とはいえ、私はやはり安藤信哉に与する。

 ネット、いろいろ。

《 ところでロジャー・ムーアの訃報を聞いたとき、連想をひとつ飛ばしていきなり定吉七番が浮かんだのって、 絶対にあたしだけじゃないよな? 「定吉セブンは丁稚の番号」「角のロワイヤル」そして伝説の「ゴールドういろう」…… 》  大矢博子
 https://twitter.com/ohyeah1101/status/867299524728967168

 東郷隆「定吉七番シリーズ」角川文庫刊。
  1『定吉セブンは丁稚の番号』 1985年4月25日
  2『ロッポンギから愛をこめて』 1985年6月25日
  3『「角」(かど)のロワイヤル』 1986年3月10日
  4『ゴールドういろう』 1986年11月25日
  5『太閤殿下の定吉七番(セブン)』 1988年10月10日

 『定吉セブンは丁稚の番号』には献辞。
《  僕にスパイ小説の楽しみを最初に教えてくれた、
   故イアン・フレミング氏と訳者井上一夫氏に  》
 収録二篇の題名。
   掛け取りの一 「ドクター・不好(プー・ハオ)」
   掛け取りのニ オクトパシー・タコ焼き娘
 矢作俊彦の友情あふれる解説から。

《 シリーズ全作のストーリィ・ラインがその場でできあがってしまった。せめて、タイトルだけ、リストをあげておく。角川春樹氏が 東郷隆のガス代と電気代を保証し続ける限り、我々は定吉の冒険を、以下続々と手にすることができるだろう。
   『定吉七番/角のロワイヤル』
   『ビーンズ・フィンガー』
   『バッテラ鮨(ずし)は永遠に』
   『ミート・ボール作戦』
   『黄金算盤(そろばん)を持つ男』
   『太閤殿下の定吉七番』
   『うちを愛した丁稚』
   『死ぬのはわてらや』
   『ネヴァー・セイ、ネヴァー・オイデヤス』
   『定吉七番は二度稼ぐ』
   『定吉七番/ムーン・冷(レイ)コー』
   『定吉七番対ジェイムズ・ボンド退役大佐』
   『定吉七番/大宮脱出』
  他に、小説ではないが定吉七番のすべてを記録した『定吉七番大福帳』 》

 かく記したが、一冊も読んでない。なお講談社文庫から『定吉セブンは丁稚の番号』『ロッポンギから愛をこめて』『ゴールドういろう』 が再刊されている。ウィキを見ると、他にも出ていた。『ゴールドういろう』講談社文庫の「あとがき」が、笑いと憐憫を誘う。映画 『ドクター・ノオ』。

《  原作者イアン・フレミングは、この映画を評して、
  「原作を読んだ人は多分失望するでしょうが、まだ読んでいない人には面白い映画だと思います。お客は皆笑うべきところで笑っている ようです」(ヘンリー・ジーガー『イアン・フレミング伝』井上一夫訳)
  とシニカルに語っている。が、そう言うフレミングの原作にも、とんでもない記述が満ちあふれている。 》

《 歴史をみるときに、人間という存在には信じられないぐらい愚かしいことがつきまとうよねと思っていたほうが、たぶん、 かくあるべしという見方をするよりもクリアーな観察ができる。 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/867370610309046272

《 「信長は明智光秀に殺されますよね、それで…」「ネタバレだ! 知らない人の楽しみを奪うな!」 》 町山智浩
 https://twitter.com/TomoMachi/status/866836706456031233

《 斎藤美奈子氏の菅官房長官評が鋭い。国連特別報告者への対応から「政府に都合の悪い文書は無視する。無視する方便として 文書そのものの正当性を否定する」という菅方式を導き出し「菅氏の頭の中では『不都合・好都合』のセンサーだけが発達している」 と指摘。そして「廃棄した件にこそ注目すべし」と。 》 m TAKANO
 https://twitter.com/mt3678mt/status/867194695801118721

《 今の日本に必要なのは「テロ対策」よりも「アベ対策」だろう。このまま安倍晋三のやりたい放題にさせておいたら、 日本は東京五輪までに北朝鮮になってしまう。 》 きっこ
 https://twitter.com/kikko_no_blog/status/867319828025008128

《 「万歳ナチス」と本気で作詞? 名作詞・作曲家たちの知られざる逸話 》 辻田 真佐憲
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51751

《 貧困対策担当大臣ってのがいたら、略して『貧相』なんだろうか。 》 浅利与一義遠
 https://twitter.com/hologon15/status/867254101712797696

《 ろくでなし子って名乗ってるのに、人の役に立つことばかり教えてくれる人だな 》 黒子ナズナ
 https://twitter.com/nazuna2015/status/867045720187994112