『生命の酒樽』

 昨夜、本棚をしばし眺め、山田稔エッセイ集『生命の酒樽』筑摩書房1982年初版を抜き、少し読む。

《 「シラケ」世代の男性の間にいちじるしい風俗の女性化というのは、その一つの指標とみなすことが できるだろう。 》 38頁

《 現代の社会が男性のホモ化を怖れるのは、それが社会活動の基盤である競争原理の否定につながるからだ。 そして競争原理のうちには国際間の競争、ナショナリズム愛国心愛社精神)などがふくまれることは 勿論である。 》 40頁

《 私たちの未来へのわずかな希望は、これら優しい男たちにかかっている。 》 42頁

 この「優しい男たち」は1976年の発表。それが最近では草食男子と呼ばれる。四十年ほど前とはどこか 異質になった。つづく四頁足らずの「闇の中の拍手」には心を打たれた。パリの閑古鳥の鳴く映画館で映画 『モダン・タイムス』を観たときの逸話。間然するところがない。1979年の発表。ここで昨夜の読書は終了。

《 それにしても「美」の単調さに比べ「醜」のなんと多様で豊かなことか。 》 「『百の顔をもつ男』と 『千の顔をもつ男』」69頁

 美とは単調であろうか。美は関係性や運動性のなかに現れるものだと思うので、実に多種多様だと思う。 美を感じることは同じだが。

 表題作「生命の酒樽」はドイツ文学者故大山定一への懐旧談。大山の「酒」という多分絶筆が紹介されている。 その一節、母親が大山に言ったことば。

《 ──人間にはそれぞれ「分」というものがある。おまえが一生かかって飲む酒は、ちゃんと神様がその「分」を 取っておいてくださる。だから、何もあわてて、無理をして飲むことはないではないか。四十年五十年かけて飲めば よいのだ、と。 》 82-83頁

 私は今は缶ビール(350ml)で終わり。コアントローが切れて、ま、いいか、とそのままになっている。 何もあわてて無理をして読むこともないか、と思い、もう少し読んで、今夜の読書はおしまいに。明日がある。

《 神様、私の酒樽にはまだどれほど残っておりますでしょうか。 》 83頁

 ネットの拾いもの。

《 今回の訪米の成果。日本の宰相は「難民問題」一つとっても全く理解できていないし、 人道的な考え方も出来ない。よく分からないが、また金をくれるらしい。という認識を世界のマスコミに広げたこと。  》

《 円安、株安、物価高のトリプルパンチじゃん。これがほんとの3本の矢だ。  》

《 アベノミクス株価上昇の最終手段。堀北真希離婚、福山雅治離婚。一気に2万円台に。 》