雨のち曇り。春めいた湿めり気。動きたくない気分。本棚を見ては思う、こんな俳句を。
ちりぢりや蔵書・椋鳥・かの吸殻 堀井春一郎
画集を観ては思う、こんな俳句を。
美術巡礼銀河のみちは不案内 平畑静塔
加藤郁乎(いくや)の俳句に齋藤慎爾の俳句をあわせたり。
春しぐれ一行の詩はどこで絶つか 郁乎
菜の花の径にて一行の詩を絶てり 慎爾
野見山朱鳥(あすか)の俳句には短歌を。
露の径イエスの如き乞食来る 朱鳥
花サフラン イエスうつしの講師来て女子大学は揺れつつしづか 小林紀子
サフランは漢字でサ(=サンズイ+自)夫藍。