2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

雨のドライヴ(閑人亭日録)

昼前、気の置けない女性三人の車に同乗、ドライヴへ。乗車してすぐに雨。自宅近くで降りる時だけ雨が止む。傘の必要のなかった土砂降りの中のドライヴ。 帰宅後一休み~。それにしてもすごい湿気。これには参る。世界の情況に連動しているような。 ネット、…

『愛憎』(閑人亭日録)

書斎には深沢幸雄の銅版画『愛憎』1960年(18番/20部)が立て掛けてある。三十年ほど求めていて入手できたもの。求めよ、さらば与えられん、を実感。 https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/211522 深沢幸雄の銅版画はこの三十年余、好きで集めていた。…

『ウスバカ談義』(閑人亭日録)

積読本から和田誠の装丁が秀逸な梅崎春生『ウスバカ談義』番町書房1974年初版を抜き、読んだ。1952年から1965年に亘って雑誌に発表された十一篇を収録。九編が初収録。 戦後の市井の人たちの生態が面白おかしく活写されている。と書けば、書評の感じか。最後…

宇宙に直結する深み(閑人亭日録)

宮下規久朗『闇の美術史』岩波書店2016年初版をぱらぱらと再読。初読のときの違和感を確かめる。《 美術における光と闇の表現は、西洋では単に写実技法を発揮する場であるだけでなく、このように本来、深い精神性や宗教性を表出するものであった。 》 「第6…

『夢二の恋文』(閑人亭日録)

昨日の山積みの文庫本、ロミ『乳房の神話学』の下には獅子文六『ちんちん電車』河出文庫2006年初版。なんだかなあ。竹久夢二『夢二の恋文』新風舎文庫2007年初版を 取りだす。「第三章 恋の哲学」が面白い。《 今一歩といふところで拒まれた。と彼は、私に話…

『乳房の神話学』(閑人亭日録)

昨日動き過ぎたせいなのか、梅雨空のせいなのか、心身ともに半覚醒状態(うすぼんやり)。山積みの文庫本からロミ『乳房の神話学』角川ソフィア文庫2016年初版を 手にする。帯の文。《 Sein(おっぱい)──そのふくらみに人類は何を見てきたか 》 何を見てき…

「生命現象が描く」(閑人亭日録)

21日の講演に行なかった知人たちから会場で配ったコピーを要望され、三部増刷。自分用は無し。北海道立函館美術館に送る味戸ケイコ関連の資料のコピーを郵送。 こちらには静岡新聞美術コラムの味戸さんの絵を紹介した拙文や椹木野衣氏の『美術手帖』美術出…

きょうも休養日(閑人亭日録)

朝、源兵衛川中流、三石神社周辺の茶碗のカケラ、ガラス片そしてヒメツルソバを回収。流水量が増しているのでサンダル履き。冷たい。しばらくすると気持ちいい。 三十分足らずで終了。傍の店のおじさんが「早いじゃあ」「もうロクにないから」。帰宅。風呂へ…

きょうは休養日(閑人亭日録)

昨晩、講演会の出席者からメールが届く。《 本日は講演会にうかがわせていただきました。とても楽しく、まだまだお話を聞きたかったです。 》 メールの遣り取りだけの方。会場では話かけそびれてしまった、と。 昼前に届いた主催者からのメール。《 昨日の「…

「私的美術!発見談」(閑人亭日録)

普段よりも一時間余早く、起床。呑気に寝ている気分じゃない。午後の講演のメモ(カンペ)一枚を作る。内容は、テレビ東京『アド街ック天国」で三年前に放送された 「三島」のランキング。今読み返しても、へえ~、よそ様から見るとこんな順位かあ。地味だな…

『秘文字』(閑人亭日録)

『秘文字』社会思想社1979年初版4800円、〈解答篇〉の三篇、泡坂妻夫「かげろう飛車」、中井英夫「薔薇への遺言」、日影丈吉「こわいはずだよ狐が通る」を読んだ。 どれも良い短篇だ。しかし、暗号を解いて読む気は起きない。《 〈解答篇〉 愛読者カードで請…

雨の一日はゆっくり(閑人亭日録)

朝から雨。激しくなったり小雨になったり寒々とした陽気。長袖シャツに腕を通す。痩せガマンして半袖でいる歳ではない。 友だちの引っ越しの見積もりに立ち会う。興味深く聴いた。てか、人生場数を踏んでいるつもりだが、引っ越しの場面は初めて。交渉妥結。…

展示の絵を選ぶ(閑人亭日録)

遅い昼食を終えて外を見ると小雨。慌てて洗濯ものを取り込む。やれやれ。昼寝から覚めて、さて、講演で展示する小さな絵を選ぶ。味戸さんは吉原幸子『クモンの空』 1977年の表紙の原画、小原古邨の木版画『交喙(いすか)』。林由紀子さんの手彩色銅版画『ガ…

味戸ケイコさんの絵(閑人亭日録)

やなせたかし展に味戸さんの絵を四点送ったが、担当の学芸員からメール。《 このたびの展覧会では大変お世話になり、ありがとうございました。 わずか10日間の会期ではありましたが、大好評を博し、 なんと2,878人ものお客様がいらっしゃいました。 これは函…

『鉄塔武蔵野線』(閑人亭日録)

21日(日)午後の講演会ではいろいろな資料を持っていく。全部使うわけではなく、時間と話の流れで使い分け。そんな本の一冊が、銀林みのる『鉄塔武蔵野線』。 第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。1994年に単行本。新潮文庫1997年2刷とソフトバンク…

田島志一、続き(閑人亭日録)

田島志一の続き。 《 君は山口縣士族福山清一の弟にして明治元年四月十四日を以て生れ同三十年四月田島家に入り同三十一年四月家督を相續す夙に美術に志し同三十二年眞美協會を起し 眞美大觀を刊行し江湖の名聲を博す同三十七八年之を携へて歐米各國に航し我…

1906(明治39)年  田島志一(閑人亭日録)

夏目漱石『草枕』は1906(明治39)年夏に執筆された。《 1906年(明治39年)7月26日に執筆開始。同年8月9日脱稿。「吾輩は猫である」の脱稿から10日後に執筆を開始し、完成したのはその2週間後であった。 》《 1906年に『新小説』に発表され、1907年に『鶉籠…

長編小説!(閑人亭日録)

昨日の夏目漱石『草枕』新潮文庫のこのくだり。《 トリストラム、シャンデーと云う書物のなかに、この書物ほど神の御覚召(おぼしめし)に叶(かの)うた書き方はないとある。 》 129頁 スターン『トリストラム、シャンディ』を筑摩世界文學大系で読もうと思…

『草枕』(閑人亭日録)

夏目漱石『草枕』新潮文庫1988年86刷を再読。1906(明治39)年発表。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E6%9E%95 初読時におお、と思ったのは、語り手の画工が旅館の部屋で寛いだくだり。《 横を向く。床にかかっている若冲の鶴の図が目につく。これ…

梅雨らしい(閑人亭日録)

静岡県は昨日梅雨入り。とはいうが、雨はほんのパラパラ。昼前、降りそうもないので傘も持たずにスーパーへ。めぼしい食べ物はなく、千円で間に合う。曇天同様、 低空飛行な気分。 午後二時過ぎ、土砂降り。外出の用はなし。雨脚を眺める。《 糠の様に見えた…

『生きるかなしみ』三(閑人亭日録)

山田太一・編『生きるかなしみ』ちくま文庫2015年18刷を読了。《 絶望に深く浸透されすぎた者は、たとえ巷に同じ絶望者を発見することがあっても、決して連帯することはない。 》 高史明「失われた私の朝鮮を求めて」 168頁 1960年代末、全共闘のスロ-ガン…

『生きるかなしみ』二(閑人亭日録)

山田太一・編『生きるかなしみ』ちくま文庫2015年18刷を少し読んだ。「永井荷風『断腸亭日乗』から」。敗戦の日。《 八月十五日。陰りて風涼し。宿屋の朝飯。鶏卵、玉葱の味噌汁。ハヤ附焼。茄子糠漬なり。これも今の世にては八百善(やほぜん)の料理を食す…

『生きるかなしみ』(閑人亭日録)

山田太一・編『生きるかなしみ』ちくま文庫2015年18刷、山田太一「断念するということ」を読んだ。《 「生きるかなしみ」とは特別のことをいうのではない。人が生きていること、それだけでどんな生にもかなしみがつきまとう。 》 8頁《 生きるかなしさぐらい…

『小原古邨と周辺展』(閑人亭日録)

21日(日)に行う美術談義「私的美術!発見談」で配布する資料が昨夜完成。白黒コピー10枚、カラーコピー6枚。資料には2002年2月6日(水)~3月31日(日)に K美術館で催した『小原古邨と周辺展』の報道向け案内文も。全文公開。《 『小原古邨と周辺展…

絵の行方(閑人亭日録)

昼前、味戸ケイコさんから電話。北海道立函館美術館での展示風景が学芸員から送られてきたけど、とてもいい展示で嬉しい。こちらにも送られてきて、良い展示に感心。 それから味戸さんの絵の愛蔵家、私も知っているお二人が亡くなったという話題から絵の今後…

『テロは世界を変えたか』四(閑人亭日録)

中村雄二郎『テロは世界を変えたか』青土社2003年初版を読了。最後の「4:唯物論者からイスラム教徒へ」の結び。《 〈思想〉とはなんなのか、〈イデオロギー〉とはなんなのか、西洋の人間あるいは人類にとって〈イスラム〉とはなんなのか、〈共同体〉と結び…

『テロは世界を変えたか』三(閑人亭日録)

中村雄二郎『テロは世界を変えたか』青土社2003年初版を少し読む。《 自己の絶対的な正さを主張する宗教は、対立する相手つまり敵を、悪の権化あるいは悪魔に仕立てることになるわけです。 》 「2:窓の外のアポカリプス」 87頁《 だから、ここに少なくとも…

『テロは世界を変えたか』二(閑人亭日録)

中村雄二郎『テロは世界を変えたか』青土社2003年初版を少し読む。《 つまり、情報が氾濫しすぎているために、私たちにはものが見えなくなってしまったのです。言い換えれば情報や知識が雑音化し、障壁で覆われてしまっているのです。 だからこそ、それらの…

『テロは世界を変えたか』(閑人亭日録)

中村雄二郎『テロは世界を変えたか』青土社2003年初版を少し読む。「1:テロは世界を変えたか」から。《 グローバリズムもある意味では、底の浅いものだということになります。これからはもっと複雑な世界像を考えていかなければなりません。 》 11頁《 近…

雑用、トラブルなどなど(閑人亭日録)

雑用やらトラブルやらに一つ一つ対応。気の休まる時がない。下記、れいわ新選組の動画を見ると、拙ブログ、そろそろ潮時かな、と思う。 某ネットの書き込みを読んで、疑問が湧き、確認のため古本を注文。それ、ブログネタの仕込みじゃん。止める気ないじゃ。…