2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「月魄」

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。高木彬光「人形はなぜ殺される」光文社文庫2006年初版、ド・クインシー「深き淵よりの嘆息」岩波文庫2007年初版、計210円。前者は大日本雄弁会講談社の元版(1955年)で読んでいるけど、これは≪著者の校正用初版本の…

切れば血の出るすさまじいヒューマニズム

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。真鍋呉夫句集「月魄(つきしろ)」邑書林2009年初版帯付、八木忠栄(やぎ・ちゅうえい)「身体論」砂子屋書房2008年初版、楠見朋彦(くすみ・ともひこ)「塚本邦雄の青春」ウェッジ文庫2009 年初版、計315円。 昨夜は…

深い霧

朝は深い霧だった(ようだ)けど、すぐに晴天。どこもかしこも濡れている。雨が上がったばかりのよう。雨は昨夕には上がったので、霧がとても深かったようだ。おかげで冷え込まず、春の先触れのような陽気。昨日は雨にもかかわらず伊豆市や東京から来館者。…

きょうは雨

雨。バスに乗る。タクシーだとずっと料金表示とにらめっこだけど、バスだとそんなこたあない。百円玉二つと券を握りしめ、のんびり景色を楽しむ。200円の豪遊。でもすぐ着いてしまうのが難点。 某サイトから。歳をとったなあ、と感じる瞬間。 自販機で釣銭だ…

きょうも穏やかな冬日

きょうも穏やかな冬日。ブックオフ長泉店で三冊。高橋克彦「ゴッホ殺人事件(上・下)」講談社2002年初版、前登志夫「歌集 大空の干瀬」角川書店2009年初版帯付、計315円。「大空の干瀬(ひし)」は「歌人最期の歌集」。没後一周年に出た。一冊を読む。 これ…

1月25日(月) 休館日

新聞朝刊、「週刊現代」の広告見出し。「『東大までの人』『東大からの人』」。笑った。いるいる。 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店へ寄る。文庫本半額棚の柴田錬三郎「幽霊紳士」集英社文庫が目に止まった。「オール読物」1959年1月〜12月号に12回連載され…

穏やかな冬日

年賀状の整理。不要なものはゴミ箱へ。例年通り百通あまりが残る。大分市でフリーペーパー「南大分マイタウン」を出している御沓幸正氏の賀状。 アダムにもイヴにも臍はなかるべし 二人は子宮(はら)から生まれざりせば 午後、水墨画家の呉一騏夫妻やこの前企…

不動の孤独

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」集英社2002年初版帯付、海音寺潮五郎「人生遍路 華厳経」河出書房新社2003年初版、E・リーボウ「ホームレスウーマン」東信堂1999年初版帯付、半額セールなので計15…

不動の地位

昨日買った「世界名画の旅6アメリカ編」朝日文庫1989年初版を読む。≪日本の美術、とりわけ浮世絵が、十九世紀後半から二十世紀初頭にかけて、西欧の美術に強い衝撃を与えたことが知られている。≫45頁≪この時代の重要な画家たちの中でジャポニスムと無縁だっ…

不動の基準

昨日のジョン・ファウルズ「魔術師(下)」河出文庫1991年初版の裏表紙に高見浩の推薦文。その後半。≪『魔術師』はその点、第一級のミステリー並みに面白く、かつ芳醇な思索の糧に満ちている。稀有な小説の一つである。優れた小説とは何か、を考えるとき、こ…

きょうも温いけど強風

未明は風雨強く、午前三時には地震。日が昇ればきょうは昨日以上に気温が高い。だけど強い風。春眠暁を覚えず、ではないけど、気持ちいいのでお布団でしばらくぐずぐずする。 静岡新聞朝刊に、エドガー・アラン・ポーの生誕二百周年の十九日に、この六十年毎…

きょうは温い/探検と冒険

平石貴樹「笑ってジグソー、殺してパズル」集英社1984年を読了。帯の推理小説作家高木彬光(あきみつ)の推薦文の前文。≪これは完全な純粋本格推理小説である。とかく今までの文芸派の諸氏の書く推理小説は、登場人物の心理描写とか或いは筋の動きだけに主眼…

1月18日(月) 休館日

寒いのでお昼近くまでお布団でぐずぐず。午後、ブックオフ沼津店で三冊。恩田陸「中庭の出来事」新潮社2006年初版帯付、野口冨士男「わが荷風」講談社文芸文庫2002年初版、三浦哲郎「拳銃と十五の短篇」講談社文芸文庫1996年4刷、計315円。 塚本邦雄「序破急…

お昼は温い

今朝も寒かった。畑は霜柱だよお。でも、お昼は温い。静岡新聞朝刊にカラー写真入りの紹介記事を見た十人近くの方が午前中に来館。蝿も入館。これは即ご退出いただく。電話の問い合わせも。ほとんどが初来館。展示している 内田公雄氏の思い出を語る方も。午…

精神衛生に良い

昨夜はグラウンドワーク三島の集まりが遅くまであって、帰宅してお風呂へ入ったら深夜。NHKテレビの「東京カワイイTV」〜「ケータイ大喜利」をながら視聴。爆笑、微笑。精神衛生上すこぶるよろしい番組だ。同様によろしいのがブックオフでのお買いもの…

企画展初日/疾走から失踪へ

昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。「文藝別冊 寺山修司」河出書房新社2003年、「文藝別冊 山田風太郎」河出書房新社2001年、「エラリー・クイーン」ぶんか社2004年、計315円。副題が「はじめての読者のために」とある「文藝別冊 寺山修司」についつ…

展示替え終了

昨日デザイナーの友だちに展示替えを手伝ってもらった。安藤信哉の明るい絵の両脇に呉一騏の水墨画を配するなど、じつにお洒落な展示になった。きょうは名前を付けてこれで準備完了。また、明日から新人作家の絵を展示販売するコーナーを新たに設けた。地元…

展示替え

収蔵庫から安藤信哉、内田公雄らの油彩画水彩画などを展示室へ運び出す。ここで一休み。近所のホームセンターで日常品のお買いもの。トイレットペーパー、歯ブラシ、排水用洗剤、100ワット電球などなど。隣の本屋で頼まれ本の「NHKきょうの料理ビギナーズ…

1月12日(火) 振替休館

終日雨。古本屋へも行かず、のんびり過ごす。世の中、知らないことって、いっぱいあると、きょう実感したのが、くるみボタン。この言葉自体知らなかった。胡桃のようなボタンと思ったら、縫いぐるみ、着ぐるみの「くるみ」のことだった。詳しいことはネット…

搬出

湯浅猛氏の絵画を搬出。昨日と違っていい天気(良すぎて風が強い)なのでよかった。数日前、ブックオフ長泉店で買った本。嶽本野ばら「ミシン2/カサコ」小学館2004年初版帯付、「リチャード・P.ファインマン「ファインマンさん ベストエッッセイ」岩波書店…

湯浅猛展最終日

きょうも多くの方がご来館。ありがたいこと。 夏石番矢は俳人。第二句集「メトロポリティック」牧羊社1985年には先行する俳句の影を感じる句が、門外漢の私にも散見される。 ───── 一行の詩が処刑台のやうに響く朝だ 身をそらす虹の 絶巓 処刑台 高柳重信 春…

空虚、空洞、空疎

昨日ふれた高木彬光「幽霊西へ行く」角川文庫1986年。表題作に≪英国の詩人はするどいことをいっている。≫と以下の文が紹介されている。≪人の一生が偉大であるためには、その最後が悲劇で終わらねばならない、と。≫ 最近、入水自殺した太宰治が人気を盛り返し…

銀河と共に 西へ行く

K美術館へ車で初めて来る人は、東へ西へちょっと行き過ぎてしまう。幹線道路からほんのちょっと入ったところだから、車で走ると見逃してしまうみたい。それにしても、今朝はきのう同様寒かった。畑はきのうと同じく霜柱いっぱい。 山折哲雄「日本人の情感は…

直線的な思考法、円環的な思考法

山折哲雄「日本人の情感はどこからくるのか」草思社2003年初版を読んだ。軽い雑文集という予想は、読み進めるにつれてみごとに覆った。卓見、創見にワクワクする。例えば「日本の原理主義テロ」の章の一向一揆。≪それは信長の覇権主義にたいする正面からの挑…

一九五八年生まれ

新年の挨拶に使った平松洋子「平松洋子の台所」新潮文庫2008年初版を読んだ友だちから電話「わたしに似ている」。そう、ほんとに。これを読んで、私も微苦笑した。友だちの好みと重なるわあ。二人とも1958年生まれ。同年生まれの文筆家には坪内祐三、姫野カ…

一冊の書物

昨夜、きょうになる直前、古川日出男「アラビアの夜の種族」角川書店2001年を読了。帯の「渾身の1980枚!」「現代に甦る千夜一夜物語(アラビアンナイト)」は嘘ではなかった。そのとおりだ。といって、千夜一夜を読んだことはないけど。最も印象的な一文「…

1月 4日(月) 休館日

友人知人に新年のご挨拶、本を手渡す。あとはのんびり。一昨日読み始め昨日は中断した古川日出男「アラビアの夜の種族」角川書店2001年を読み進める。剣と龍のファンタジー?

湯浅猛展初日

朝から女性客が押し寄せる。なんとも賑やかで華やか。お昼は途切れ、午後は再び賑やか。外は大風、中はほかほか。みなさん、くつろいで話し込む。私はせっせとお茶出し。このとろんとした雰囲気が好き。

最も静かな深夜

自宅は三島市の繁華街のど真ん中。東西に伸びる旧東海道沿いに広がる繁華街には、我が家を挟んで東西100メートルにテナント募集の空き店舗は、この不景気にもかかわらず一軒も無い。居酒屋が目立つ大通りで、一年中で最も静かな深夜が、この正月三が日。とい…

風収まる

奥泉光「葦と百合」に大江健三郎「万延元年のフットボール」の影を感じた。後者は四国の山奥の旧家が中心舞台、前者は山形県の山奥の旧家が中心舞台。後者では幕末の一揆が鍵、前者では江戸時代の騒動が鍵。後者は地元の若者の組織化の挫折、前者では都会周…