2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

尾形光琳『躑躅花圖』(閑人亭日録)

美術雑誌『國華 第百九十五號』國華社明治三十九年八月一日刊の巻末に差し込み頁。四頁分の二葉。最初の頁には『本朝三十家名畫集』國華社の全面広告。 《 定価二十五圓但し「國華」一年分以上を豫約せらるゝ諸彦に限り定價の一割引にて貴需に應ず 體裁堅一…

『元信畫集 』審美書院(閑人亭日録)

「真美大観/凡例」がネットにあった。 https://ja.wikisource.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%BE%8E%E5%A4%A7%E8%A6%B3/%E5%87%A1%E4%BE%8B《 わが国最初の美術全集/古本倶楽部 》 中野書店 http://nakano.jimbou.net/catalog/geta_themes.php/gtID/18 『 Masterpie…

『真美大観 第八册』二(閑人亭日録)

昨日に続き『真美大観 第八册』日本眞美協會1902(明治35)年刊と『國華』156号明治36年5月刊を較べる。 『真美大観 第八册』 約48センチ×33.5センチ 紙数約90枚 『國華』156号 約38センチ×26センチ 紙数約20枚 『真美大観 第八册』は『國華』同様ヤワな表紙…

『真美大観 第八册』(閑人亭日録)

昨日入手した『真美大観 第八册』日本眞美協會1902(明治35)年についてネットの記事。 《 後日の記事をみると、『真美大観』の販売は「日本仏教真美協会」会員への有料頒布というかたちをとっています。価格は1冊15円50銭、20冊完結をもって 210円…

『日本の版画 I 1900-1910 版のかたち百相』 (閑人亭日録)

『日本の版画 I 1900-1910 版のかたち百相』千葉市美術館1997年刊を再読。以前読んだときは小原古邨が一言も出てこなくてガッカリした。後年千葉市美術館で 収蔵品目録を見ると、作品は収蔵されていた。ただ私の良いと思う(欲しい)木版画はなかった。 http…

「管見 よそ人三島見聞記」(閑人亭日録)

三島市主催『文芸三島』に応募した拙文「管見 よそ人三島見聞記」の落選通知が届いた。 ここに公開。 ──────── 「管見 よそ人三島見聞記」 越沼 正 ニ◯一七年八月十二日(土)、テレビ東京の番組『出没!アド街ック天国』は特集三島。その時のナレーション冒…

『リズム・カントリー・アンド・ブルース』(閑人亭日録)

最近風呂上がりに缶チューハイを飲みながら聴いている『 Rhythm Country and Blues 』1994年。いつだったか書いたが、デュエットで11曲、名唱、大人の歌。 友だちが車を廃車にして戻ってきたCDは、我が家の音響装置で聴くと歌唱がぐっとリアルに迫ってく…

まだ読めない新刊本(閑人亭日録)

昨日再掲した作品論に一つ追加。 生動力と構造力 佐竹邦子作品への視点 http://web.thn.jp/kbi/satake3.htm まだ読めない新刊本。原武史『平成の終焉』岩波書店。加藤典洋『9条入門』創元社。中沢新一『レンマ学』講談社。マルクス・ガブリエル『「私」は脳…

過去におろおろ(閑人亭日録)

K美術館のウェブサイトを開いて見た。普段は作品の画像を見るだけだけれども、作品論に目が向いた・・・驚いた。あの頃はすんごく意気軒昂だった。その一部。 ほかにネット未公開の拙論もある(恥をさらすことになるな)。いずれ拙文全部をA4版にコピーし…

人生おろおろ(閑人亭日録)

橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を少し再読。 《 その相手のことをなにも知らないまま、「この人は自分にとって必要な人物だ」と直感してしまう──それが恋です。 》 28頁 この絵は自分にとって必要な作品だと直感。それが味戸…

彼岸の入り(閑人亭日録)

昨日の平成建設訪問は、コンクリート壁に漆を塗る技術で特許を取得した作例の拝見が目的。バー・カウンターのような艷やかな漆の表面。基体がコンクリートとは とても思えない。他にも扉などの作例を拝見。もっともっと違った良いものができる予感。いろいろ…

揺さぶる力 揺るがす力(閑人亭日録)

昨日遺作展へ行った松平修文氏の最後の歌集『トゥオネラ』ながらみ書房2017年の栞に掲載された私の拙文へのお礼の葉書の一節。 《 『トゥオネラ』、出来の悪い歌集ですが、仕方ありません。栞文 ありがとうございました。貴殿のが、一番ありがたかったです。…

味戸ケイコさん、松平修文遺作展(閑人亭日録)

東京駅で青梅行きの列車に乗り、青梅駅で奥多摩行きに乗り換え、御嶽駅ホームで味戸ケイコさんと合流。駅のそば、渓谷のはるか下の多摩川へ下ったところにある 川合玉堂美術館へ。常設展示室の十五歳のときの写生画に二人感嘆。日本画家として描いた絵よりは…

『鵞卵亭』(閑人亭日録)

岡井隆の某歌を探して岡井隆歌集『鵞卵亭』六法出版社1975年を開き、最初から目を通す。終わり近くで見つける。 ひぐらしはいつとしもなく絶えぬれば四五日は〈躁〉やがて暗澹 ふと気づけば蝉の声は耳にしなくなった。まだ真夏日なのに。陽射しが傾いた午後…

『雪と氷の造形』(閑人亭日録)

白磁、白雪釉茶碗を昨日話題にして白、雪で再読したくなり、本棚から高橋喜平『雪と氷の造形』朝日新聞社1980年初版を取りだす。 https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%AA%E3%81%A8%E6%B0%B7%E3%81%AE%E9%80%A0%E5%BD%A2-1980%E5%B9%B4-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E5%9…

白磁 白雪釉(閑人亭日録)

一昨日話題にした白磁筒茶碗湯呑。あらためてその普通の佇まいの美しさを実感。日用雑器として同じ形状の無銘の湯呑が並ぶ中からこれを買い求めた二十九歳。 北一明をまだ知らなかった。改築する家に相応しいライティングデスクや椅子そして茶碗を求めていた…

雲は流れる 時代は変わる(閑人亭日録)

昨夜、雲が厚いなあと見上げて会合から帰宅。友だちは流れる雲の合間から一瞬月がのぞいた、と。で、見上げると厚い雲。早々に窓を閉める。一昨日までは 開け放してあった。 昭和の時代、携帯電話もパソコン(インターネット)も無かった時、ワープロ(ワー…

十五夜(閑人亭日録)

十五夜に晴れなしというが、今年も当たり。曇って涼しい風の便りは知人女性の訃報。訃報が続く。無常の風はにわかに吹いてきた。 四十年前に東京青山の伝統工芸品店で千円で購入した白磁系の湯呑茶碗。内側の茶渋、外側の擦り傷のようなものをクレンザーと金…

 「聖ジェイムス病院」「Summertime 」(閑人亭日録)

朝目覚める時、往年のジャズシンガー、アイリーン・ロミー Eileen Romey の歌う「聖ジェイムス病院」が耳をかすめた。『 Eileen Romey Sings 』1967年収録。 1979年の日本盤レコードを当時ジャケット買い。B面最後の歌が「聖ジェイムス病院」。なんでだろう…

『新釈雨月物語』(閑人亭日録)

《 石川淳の新釈雨月物語のちくま文庫版の解説で三島が白峯と夢応の鯉魚を褒める一方なぜか「『菊花の約』の及ぶところではない」とも言っていて、 なんで急に菊花を難じたのかと不思議だったのだけど、円地文子の本で芥川・谷崎・佐藤の諸氏が菊花を首位に…

安田南 Janis Joplin(閑人亭日録)

オーディオ装置で音楽をほとんど聴いていなかったこの夏。俄に安田南にハマる。 《 Summer Time 》 https://www.youtube.com/watch?v=45mafA7BfSs《 Bye Bye Blackbird 》 https://www.youtube.com/watch?v=iRmR-VLItUc《 Good Life 》 https://www.youtube.…

「崇高・悠久・悠遠」(閑人亭日録)

台風は真夜中に通過。一度目が覚めて窓の外を見る。おお、雨は好き勝手に踊り、街路樹の繁った葉は狂ったように踊っている。この中に身を踊らせたい。 が、私は大人(爺)だからそんな無茶はしない。眠い眠いお布団へ。 眠っている時、私の頭脳は好き勝手に…

台風接近(閑人亭日録)

台風接近。前触れの雨でも降るかと思いきや真夏の晴天。午前十時32.4℃。源兵衛川の月例清掃へ。水の苑緑地・かわせみ橋周辺で三人、茶碗のカケラなどを拾う。 かなり重くなる。自販機の飲み物で喉を潤す。どこから飛んできたのか小雨がパラパラ。すぐに止み…

近くへ行きたい(閑人亭日録)

JR東海のさわやかウォーキングでハイキング姿の中高年が、朝から歩いている。いつもとは違って商店街を東から来て三石神社へ。この暑いのに好きだなあ。 皆さん脇目も振らずせっせと歩いてゆく。そうかあ、歩くのが目的か。昨日の台湾の人たちは立ち止まっ…

夢の如く移ろいゆく(閑人亭日録)

東京新聞の「運勢」。いつも思うけど、運勢一日遅れじゃないかい。今朝の運勢。 《 世の中は夢の如く移ろいゆく。執着強ければ悩みも強い 》 昨日の日録は「季節は移ろう。人も」。相続でもめる争続。均等に分ければいいじゃないと思う。美術品にもさほど強…

季節は移ろう。人も(閑人亭日録)

近くの八百屋でトマトなどを買ってついでに茹で上がったばかりのとうもろこしも買う。おやつまで待てなく昼食後に賞味。う、美味い。この前食べた落花生といい、 このとうもろこしといい、私は何を食べてきたんだろう。 本棚をこれ以上増やさないため、段ボ…

寝るために起きている(閑人亭日録)

日陰干しした敷き布団を畳の上に敷き、シーツを掛ける。そんなことをしていてふと思った。オレは寝るために起きている・・・。大方九時間余睡眠。午後一時間ほど 昼寝。その間に食事と洗濯とお掃除とお買いもの。まあ、日常のこまごましたことをこなしている…

『千歌燦然』(閑人亭日録)

一昨日の富澤赤黄男「眼に古典紺紺とふる牡丹雪」から連想。『千歌燦然 塚本邦雄選[公募短歌館]入選作品集成』書肆季節社1984年を開く。 霏霏霏霏と書きならべたり妖(うつく)しき雪霏霏とふるかぎりも あらず 白浦十郎太 返しのような歌。 童女書く「雨…

『定家百首』(閑人亭日録)

塚本邦雄『定家百首 良夜爛漫』河出書房1973年初版には昨日引用した”頼めぬを待ちつる宵も過ぎ果ててつらさとぢむる片敷の袖”は選出されていない。 巻末の跋には。 《 なかんづく正治建仁期の所謂「達磨歌」をつぶさに見る時、この狂言綺語こそ定家の生命で…

『百句燦燦』(閑人亭日録)

《 同じ講談社文芸文庫に、やはり塚本邦雄の撰で、散文詞と評釈を付した『王朝百首』、俳諧百句を撰び評釈を展開する『百句燦燦』があり、 いずれも解説は先頃亡くなった橋本治が執筆する。その『百句燦燦』の中ほどに収録されているのが、富澤赤黄男「眼に…