明日からの「白砂勝敏展」の展示作業をしているところへお邪魔する。入って左側の壁新作の『奏枝(kanae)』シリーズが十点近く並んでいる。漆黒に塗られた板に、乾燥させて表皮を一部剥いだ小枝が掛かっている作品に瞠目。これはいい!審美書院の本の蒐集を…
「凄い美術作品とは」という問いが、ふと布団の中でまったりしていて浮かんだ。布団にもぐって考えていても何も浮かばないので布団からであた。まあ、下手な考え、休むに似たり、というけど、起きているほうがまだましだろう。魂を震撼させる作品。心を慰撫…
編輯印刷兼發行者 相見繁一『 群芳清玩 第三』發行所 藝海社 大正二(1913)年三月十五日發行を開く。13日にリンクを貼った「【田島志一と審美書院】 山崎純夫」から。《 余昨秋故ありて審美書院を去り専ら工業方面に鞅掌しつつあり 本務の傍ら芸海社を起こ…
編輯兼發行者 田島志一 印刷兼發行所 審美書院『美術聚英 第十册』明治四十四(1911)年十月十二日發行を開く。判型は昨日の『真美大観』と同じ。やや堅い表紙。全十二頁と薄い。『緒形光琳筆四季花木圖屏風一隻』は右と左の白黒写真と左の左半分の着色印刷の…
昨日につづき、編輯兼發行者 田島志一 發行所日本佛教眞美協會『真美大観 第一册』明治三十二(1899)年五月十日發行を開く。「凡例」冒頭。《 一 本書は、各宗寺院の什寶に係る古今の繪畫、彫刻、建築物中に就き、其秀粹なるもの凡一千種を撰擇し之を撮影して…
編輯兼發行者 田島志一 發行所日本佛教眞美協會『真美大観 第一册』明治三十二(1899)年五月十日發行を開く。巻頭の多色摺り木版画による『五秘密畫像(絹本密彩) 筆者不詳』を鑑賞。じつに良い保存状態。解説後半。《 其筆意、設色の明潔にして、巧妙なるは、…
天気情報は”晴れ”なのに現状は曇天。ぱらぱらと小雨がありそうな重い雲。寒々とした陽気。外出する気にはなれんなあ。で、編輯兼發行者 田島志一 發行所日本佛教眞美協會『真美大観 第八册』明治三十五(1902)年十一月廿五日發行を開く。『普賢菩薩畫像(絹本…
マンガ家故つりたくにこさんの夫、高橋直行氏からうれしい手紙が届く。《 2024年は仏語版第2集にスペイン語版が出版されるはずです。 又、Pompidouで”アクロバット”の頭から5枚の原画が展示されます。 》 同封の高橋氏の原稿コピーから。《 パリのポン…
東京新聞、今朝の最終面、上半分の紙面は、内野まゆみさんの娘さんが先年、友だちと熱海で始めた『ひみつの本屋』の記事『「ひみつの本屋」 人気の鍵は 町探検』。冒頭ゴシック体の紹介文。《 鍵を借りて錠前を開けると、書棚ばならぶ無人の空間。本を選んで…
編輯兼發行者 田島志一 發行所日本佛教眞美協會『真美大観 第二册』明治三十二(1899)年十二月十五日發行の最初の図版『曇徴筆法隆寺金堂壁畫』は多色摺木版画。色がずいぶん剥落しているけれども、じつに高貴で美しい。絶妙な体躯の捻りが生動感を際立ててい…
明治後期の国華社と審美書院の本の多色摺り木版画が「木版画の極み」ならば、奥野淑子(きよこ)、久田誠道の木版画は「現代木版画の頂き」と言えよう。国華社と審美書院の、多色摺りによる古典作品複製木版画は、現代の原色カラー図版に較べて遥かに訴求力…
ふと浮かんだ「私はなぜ美術品を集める?」。味戸ケイコさんの1985年の初個展で原画二枚を初めて購入してから、原画の魅力にはまった。その時の一枚が『夢の入り口・1』1983年。 http://web.thn.jp/kbi/ajie2.htm 新聞広告で目にして焼きついた。魅力とは、…
二日に引用の「寫生にして寫生に非ず。自然を本とし、之を理想化して装飾に富ましめ、宛然一種の文様を成せり。」が、「写生」と「写実」を考えるとき、私に異なった響きを与える。 宛然(えんぜん)とは「そっくりそのままであるさま。よく似ているさま」と…
正倉院御物で宮内省御蔵版『東瀛珠光 三』審美書院 明治四十一年十一月三十日發行収録、『第百七十 緑地彩色繪箱及粉地花形方几 其一 側面 其二 箱蓋正面』、「其二 箱蓋正面」の彩色木版を鑑賞。いつ見ても素晴らしい色彩、デザインセンスだ。一千年あまり…
きょう三日は、人の出入りもなく、返信する年賀状もなく、骨休みの一日。こうして静かに過ごせることの幸運を実感。 午後、布団にもぐりながら思った。幸福感には満足感、達成感、充実感等が含まれる。今の自分は、美術に関してささやかな達成感と充実感を感…
元日とはえらく違う、雨降りしきる昏い正月二日。地震被災地を憂う。今は憂うしかない。それにしても、北陸といいパレスチナ、ウクライナといい・・・。 『日本名畫百選・下』審美書院 明治三十九(1906)年十月二十五日發行 編輯者東京美術學校 印刷兼發行者…
元旦。新鮮な気分で目覚め。昨日とはえらい違い。なんだろう。明るい陽射し。 午後、美術雑誌『國華』129号國華社と『國華』153号國華社明治35(1902)年2月15日發行を開く。129号には伊藤若冲『鶏圖』白黒写真版、153号には同じく伊藤若冲『花鳥圖』彩色木版…
このひと月ほど活字に熱中することなく来し方をぼんやりと振り返っていたが、大晦日。2023年、令和五年も終わる。なんか、感慨がある。十代末からこの半世紀余り、1969年の学生運動のガリ版刷りのアジビラなど一次資料をいろいろ集めてきたが、それが「三島…
この数日、『圓山四條畫鑒(円山四条画鑑)』國華社、『和漢名画選』國華社の重厚な二冊を鑑賞してけっこう疲れた。きょうは審美書院の薄い美術本を開く。編輯兼發行者 田島志一『美術聚英 第十册』審美書院 明治四十四(1911)年十月十二日發行。多色摺木版画…
發行兼編輯村山旬吾『和漢名畫選』發行所 國華社 明治四一(1908)年七月五日發行が届く。一昨日届いた『圓山四條畫鑒(画鑑)』國華社よりも重いんじゃないかな。下手をすると腰を痛めるわ。昼前の光を障子で緩め、一頁ずつゆっくり開いて鑑賞。うーん、面白…
午前十時過ぎ、源兵衛川上流、蓮馨寺横の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。両岸は建物が迫っていて暗いが、この時間だと日差しが川に当たる。ゴミがよく見える。重くなって引き上げる。ふう。今年の作業はこれが最後かな。 午後はゆっくり休む。昨日届いた『圓…
友だちとバスに乗り、隣町のホームセンターへ台所のゴミ箱を買いに行く。ついでに二枚合わせると高さ60センチ、幅40センチになる薄い板を購入。帰宅。裏側に棒を渡して二枚をネジで留める。表面に濃い臙脂色のビロードの布をかぶせる。はみ出た布を裏に折り…
歳末のお掃除といっても普段やっていることに変わりはない。一年のホコリを払う、なんていうと誇りを払う、と勝手に思ってしまう、お年寄り。ま、誇りにも借金にも縁のない生活。四十年余り前、自宅を新築するときには二千万円を銀行から借りた。利息は確か…
朝、歯医者へ自転車で行く。痛いこともなく短時間で治療終了。やれやれ。歯よりも自転車走行~自動車との接触事故のほうが心配。青い矢印の自転車走行幅に自動車が寄ってくる。というより侵入してくる。自転車に乗るのが少なくなった。運転が下手になった。…
午前十時、源兵衛川上流部、蓮馨寺横の茶碗のカケラ、ガラス片などを拾う。水曜日に雑草を刈り、川の石を移したり、川底のゴミを浚ったりしたので、川底に燃えないゴミがろ露出してきた。この時間だと日が射してよく見える。重くなって終了。ふう。無理は禁…
夕方、不意に「芋男爵」という言葉が浮かんだ。男爵芋ではなく。きょうは焼き芋を作っていない・・・。が、午後、友だちとバスに乗り、沼津駅近くの喫茶店フレィバァへコーヒーと自家製ケーキを味わいに行った・・・せいかな。 https://loco.yahoo.co.jp/pla…
冬至。だからではないが、来客の手土産の返礼用に、昼過ぎに焼き芋を作る。夕方、自分用に焼き芋を作る。手がかからなくて旨い。こりゃラクチン。病膏肓に入るではないが、私好みの焼き芋になる薩摩芋を探したくなる。 日本の若い女性たちの活躍に目を見張り…
友だちがいただいた薩摩芋を焼き芋にして、と言ってくる。小ぶりの芋三本を、水漏れで使わなくなったご飯炊きの土鍋に並べる。私の調理用ガス台にパン焼き用の網を置き、その上に土鍋を載せる。とろ火で五十分。頃合いを見て、二重蓋を開け、爪楊枝で刺して…
味戸ケイコさんからポストカードブック『「雨のように話しはじめる」絵=味戸ケイコ 歌=平岡淳子』装丁夜話を恵まれる。 https://souteiyawa.theshop.jp/items/75406409 絵と歌とが見事に響き合っている。「使ってください」と味戸さんのメッセージがあるが…
年賀状の宛名書きを終える。五十通ほど。多い年には軽く百通を超えた。時代は変わる。さて、裏面はどうするか。一日が終える。 東京新聞、コラム『大波小波』は、犬生『再注目される「総員玉砕せよ!」』。冒頭。《 「映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がヒット…