2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

時代を突き抜ける

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で一冊。鈴木和成『ヴェネツィアでプルーストを読む』集英社2004年初版、105円。 最近は夕涼みに寄るみたいだったので、ホッ。元気なので夕食後、久しぶりにブックオフ函南店へ自転車を走らせる。霞流一『死写室』新潮社2008…

ゼタことガロ

『ゲゲゲの女房』 登場人物のモデルは誰?と話題になっているようだ。つりたくにこ、長井勝一、桜井昌一、つげ義春……。四十年ほど前、『ゼタ』こと『ガロ』(ゼタの下半分を除くとガロとなる)の出版社、青林堂へ本を買いに行って、長井勝一氏から『ガロ増刊…

休館日

梶井純『戦後の貸本文化』桜井文庫1976年を読み返す。フムフム。末永昭二『貸本小説』アスペクト2001年を読み返す。フムフム。展覧会図録『戦後文化の軌跡 1945-1995』朝日新聞社1995年を確認。フムフム。『ゲゲゲの女房』の時代背景をあらためて確認。 末永…

「反アート入門」

昨夕、「ゲゲゲの女房」観て、八月からの企画展を「水木しげると『ガロ』の作家」展に急遽変更。自宅にある『忍法秘話』『ガロ』、水木しげるの貸本漫画、復刻漫画、つげ義春の貸本漫画からつりたくにこ、林静一らの『ガロ』関係の作家たちの、初期の青林堂…

判る/判り易さ

昨日は午後五時新宿着。東口の紀伊国屋書店で今月出た椹木野衣(さわらぎ・のい)『反アート入門』幻冬舎を購入。ついでに周囲の美術本や陶芸の本を見てまわる。美術関連の本は大量にあるけれど、陶芸関係の本はかなり少ない。需要が少ないのだろう。何冊か…

水木しげるの追悼文

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で四冊。古山高麗雄『真吾の恋人』新潮社1996年初版帯付、鯨統一郎『白骨の語り部』中公文庫2009年初版、友松圓諦(ともまつ・えんてい)『法句経』講談社学術文庫2002年20刷、スティーヴン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニー…

地獄流し/呪われた村

昨日、知人が来館、水木しげる『河童』を見て「これです!」と興奮気味に語る。よかった。貸本漫画を見たことがないようなので水木しげるをニ冊、『呪われた村』『地獄流し』東考社を持ってくる。別の知人が来館。『ゲゲゲの女房』を今朝も観たと言う。『地…

河童

雨風が強いのでバスで来る。ラクチン。昼前には荒れ模様。でも昼過ぎには止む。 知人の探している水木しげる『河童』(少年サンデー増刊、小学館1966年)は、ちくま文庫『幻想世界への旅』1986年に再録されていた。『河童』は『忍法秘話 15』青林堂1965年…

6月21日(月) 休館日/三島柴胡

静岡市のむつごろう薬局社長との四方山話から始まった、グラウンドワーク三島の新プロジェクト、薬草・三島柴胡(みしまさいこ)復活プロジェクト。吉川孝文北里大学名誉教授に来ていただいて松毛川そばの栽培予定地を見ていただく。昼食は友だちの車で沼津…

忍法屁話

昨晩観た「ゲゲゲの女房」、いよいよ『忍法秘話』青林堂の出版話だ。そこで水木しげるがひょいとアイデアを出したのが後の『忍法屁話』。この短篇は『忍法秘話 8号』1964年に掲載。私は当時中学生だったので雑誌そのものを知らなかったが、新書版『忍法屁話…

美的時熟

昨日の松岡正剛『フラジャイル』筑摩書房1995年の末尾に「時熟」という言葉が出ていたので、大橋良介『時はいつ美となるか』中公新書1984年初版を読んだ。≪「時はいつ美となるか」というのは、「時熟」という問題を「美」の領域に限定したときに出てくる問い…

フラジャイル

昨日、松岡正剛『フラジャイル』筑摩書房1995年初版を読了。そこへ知人が来て興味を示したので貸した。知的刺激に溢れているとは、こういう本を言うのだろう。博覧強記、知識の束が貨物列車のようにつながって、銀河の彼方まで走っていくような。でも、到着…

マーク・ロスコ

本棚から月刊『太陽』1993年11月号「特集 現代美術入門講座」を取り出す。最初が「横尾忠則 現代美術を歩く」で、佐倉市の川村記念美術館での感想。彼の感想が、私の見方と重なる。例えばフランク・ステラとマーク・ロスコ。≪ステラから伝わるのはあまりにも…

モダニズム美術史

宮下誠『20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す』光文社新書2005年、ジャケット折り返しの惹句から。≪本書では「具象/抽象」「わかる/わからない」の二元論に終止符を打ち、≪旧東独美術≫も視野に収めた新しい解釈パラダイムを提案する。≫≪本書は、芸術を…

つりたくにこ再び

昨日テケママが来館。ブログにうれしい感想を記している。≪『内田公雄展』面白かったですよ〜。抽象画ですが、私には具象の絵より、ぐっとストーリ性を感じて、色んなイメージが浮かんだ。≫ 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。ジャック・リッチー『10ド…

6月14日(月) 休館日

はやぶさ、万歳!帰還を今朝確認できた。昨夜はNHKをはじめどこのテレビ局も中継もテロップでの報道さえもしなかった。腹が立つ。だからテレビを観なくなる。 午後、清水町のホームセンターでガラスブロックを手にとる。壁以外に使えないかなあ。未だにい…

オデュッセウスの帰還

七年ぶりに帰還したはやぶさからホメロス「オデュッセイ」を連想。四方田犬彦「オデュッセウスの帰還」自由国民社 1996年、表題エッセイを再読。SF的発想、カプセルにガス状生物やら殺人ウィルスが入ってなければいいけど。 その四方田犬彦「『かわいい』…

ノンちゃん

松岡正剛が千夜千冊で取り上げているので、石井桃子「ノンちゃん雲に乗る」光文社カッパブックス1966年14刷を再読。四十数年ぶりの再読。高校生のときに読んで以来本棚に鎮座したままだった。優等生ノンちゃんのあまり出来のよろしくない兄さんの内面への言…

悪女

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。鹿島茂「悪女の人生相談」講談社文庫2008年初版、ジル・チャーチル「カオスの商人」創元推理文庫2009年初版、計210円。前者は単行本で読んで面白かったので、どなたかへの贈呈用。悪女なんていうと「宿命の女」を連想…

つりたくにこ

知人のウェブサイトでゲゲゲの女房」で アッキーナ演じる押しかけアシスタントのモデルは「つりたくにこ」とあってビックリ。「ガロ」で闘病中を知り、京都深草まで日帰りでお見舞いに行った。少しは具合が良かったようで、彼女お手製のトンカツをご馳走にな…

お水スーツ

午後、三島テレビ放送の取材。暑い中ご足労ありがとうございます。都築響一の記事から。≪僕らがふだん雑誌で見るような”ファッション”は、実はアパレル=衣料全体のマーケットからすると、3割ほどらしい。あとの7割がデパート、ブティック、セレクトショッ…

特殊か、普遍か

また降りそうな空なので、早めに出て自転車で来る。しばらくすると雨。ここだけ雨だから参っちゃう。 新聞の催し欄の告知だけで初日のきのう何人かの方が来館。十年ぶりに展示する絵画もあって、皆さん何かしら心に訴えてくるものがあったよう。ヒッピースタ…

内田公雄展初日

小雨なので徒歩で来る。静岡新聞記者、内田公雄展の取材に来訪。初めて見る内田氏の抽象画に興味津々の様子。 笠間市立竹喬美術館から深沢幸雄展図録「銅版画の名手 深沢幸雄の軌跡」を恵まれる。総175頁の立派な本だ。「謝辞」に私の名前も。これは嬉しい。…

休館日

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で宮下誠「20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す」光文社新書2005年初版、105円。きょうは近所の古本屋へ。古本山脈はさらに高く険しく、峡谷はいよいよ狭まる。下層に埋れた古本は……もはや発掘すること能わず。新たに積ま…

魔女の1ダースは13

きょうは6月6日。6+6=12。で、 米原万里「魔女の1ダース」読売新聞社1996年初版を昨夜読了(コジツケ)。ご多分にもれず、この本でもシモネタ満載で苦笑微苦笑大笑の連続だった。が、そんなシモネタはこのお上品なブログには掲載できませぬ(したい…

きょうは環境の日らしい

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。長田弘「本を愛しなさい」みすず書房2007年初版帯付、「国語辞典≪改訂新版 ≫」講談社学術文庫1997年初版、計210円。「本を愛しなさい」とは想定外な題だ。直球勝負。 きょうは環境の日らしい。昼のニュースで言ってい…

きょうは何の日

きょうはたしか虫歯予防デーの気がする。六十歳に届く齢になると入れ歯のことが脳裏に浮かぶけれど、今のところは心配ない。病気をすると、人生損した気分になる。以前体調を崩して四日間入院したことがある。病院というところはシステマティックにできてい…

長谷川りん二郎展

知人の車に同乗して平塚市美術館の長谷川りん二郎展を観に行く。洲之内徹はいい眼をもっていたからいい絵を持っていた、と思う。帰り道にとある画家の家に寄り、本荘赳(たけし)の晩年の油彩画を拝見。これが一番の収穫。

世界観・倫理観

松岡正剛「花鳥風月の科学」中公文庫からもう一つ。≪科学の眼は世界観と結びつく必要もあります。 部分的な分析が精確だからといって、それで科学だというわけにはいかない。今日の科学技術の問題は部分的分析の単位がたがいにつながらなくなってきたという…

十三周年

開館十三周年。金も無いのによく続いたものだ。まばゆい晴天を仰ぐ。一吐息。展示品の撤収作業を続ける。 昨日の話題の松岡正剛「花鳥風月の科学」中公文庫から、へえ〜を少し。≪「むなし」とは「実なし」のことです。≫250頁≪誰でもよく知っているいろは歌四…