2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『忘れられた日本人』三(閑人亭日録)

宮本常一『忘れられた日本人』未來社1960年初版を読み進める。「私の祖父」。《 親類づきあいは普通従兄弟位までの間でおこなわれるが、義理がたくすれば再従兄弟までがその範囲になる。それも、相手の家との話あいによってきまる。 》 174頁《 世間態をやか…

『忘れられた日本人』二(閑人亭日録)

宮本常一『忘れられた日本人』未來社1960年初版を少し読む。『土佐源氏』がここに収録されているとは知らなかった。一人語りの自伝。ここまで読んで本を閉じる。 ネットにその後の記事。《 宮本常一「忘れられた日本人」土佐源氏の里・高知県梼原で孫嫁の森…

『忘れられた日本人』(閑人亭日録)

宮本常一『忘れられた日本人』未來社1960年初版を少し読む。日本各地を巡ってその土地の人からの聞き書き。最初は日本海の対馬。「対馬にて」。昭和二十五年。《 伊奈の村は対馬も北端に近い西海岸にあって、古くはクジラのとれたところろである。 》 7頁《 …

風の子造形教室展最終日(閑人亭日録)

曇天。急に秋めいてきた。懐も秋風~。オツムも体も動かない~。きのう冷蔵庫を移動したり、動き過ぎた反動。ジミ・ヘンドリックスの演奏を聴いて元気づける。 https://www.youtube.com/watch?v=qFfnlYbFEiE&feature=emb_logo 沼津市の元銭湯吉田温泉で催さ…

日本文化の革新(閑人亭日録)

『日本文化の核心』、これは「日本文化の革新」を呼び掛けているのでは、と気づいた。 私流にいえば、つりたくにこさんのマンガ、味戸ケイコさんの絵、北一明の陶芸作品の再評価、発見のこと。同時代には見過ごされていた作品に新たな光が当てられる。 旧弊…

『日本文化の核心』補遺(閑人亭日録)

昨日読んだ最終講「第一六講 面影を編集する」を再読。じつに刺激的。「「おもかげ」と「うつろい」」の項。《 NHKが「人間講座」というシリーズを放映していたころ、日本文化についての八回シリーズを頼まれて、「おもかげの国・うつろいの国」というタ…

『日本文化の核心』四(閑人亭日録)

松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書2020年5刷、「第九講 まねび/まなび」を読んだ。《 二〇世紀初頭のロシアに、レフ・ヴィゴツキーという三七歳で夭折した天才的な発達心理学者がいました。〔中略〕 ヴィゴツキ…

『日本文化の核心』三(閑人亭日録)

松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書2020年5刷、「第八講 小さきもの」を読んだ。《 これらは一種のスモールサイズ主義ですが、私はこのミニマル・スタイルと日本の「小さきもの」感覚はちがうものだと思っています…

『日本文化の核心』二(閑人亭日録)

松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書2020年5刷、「第四講 神と仏の習合」を読んだ。《 神と仏を分離しようとしたのは、明治政府が神仏分離令を発布して行われた廃仏毀釈のときだけです。 》 86頁《 私がつかってい…

『日本文化の核心』(閑人亭日録)

松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書2020年5刷を少し読んだ。「はじめに」から。《 日本文化はハイコンテキストで、一見わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。 わかりやすさを求めればいいとい…

『沈黙の日本美』三(閑人亭日録)

吉村貞司『吉村貞司著作集 弐 沈黙の日本美』泰流社1980年初版、「茶──美とこころ」を読んだ。力作だ。心敬、紹鴎、一休、珠光、そして千利休。彼らの茶の思想が 輪郭鮮やかに描き出される。門外漢の私が感想など到底できない戦国時代を背景にした武士の世界…

『沈黙の日本美』二(閑人亭日録)

吉村貞司『吉村貞司著作集 弐 沈黙の日本美』泰流社1980年初版、「日本画──深層と空間」を読んだ。なかなか読み応えがある。読ませる。《 西洋では描きたいとき、すぐに描ける。チューブからキャンバスに直接絵具を塗りつけてもいい。だからわき返る感情をそ…

『沈黙の日本美』(閑人亭日録)

吉村貞司『吉村貞司著作集 弐 沈黙の日本美』泰流社1980年初版を少し読んだ。「序章──日本にとって美とは何か」。《 江戸時代とはかかる個性的な時代であった。芸道はそれぞれに数多くの流派を生み出したが、それは個性によって新しい芸術を確立するにあった…

『「鉄学」概論』二(閑人亭日録)

原武史『「鉄学」概論 車窓から眺める日本近代史』新潮文庫2011年初版、後半を読んだ。尻上がりに興奮する。青春と重なるからだろう。「第六章 都電が消えた日」 から。《 しかし私の見るところ、都電から地下鉄への変化には、利便性に負けず劣らず重要な問…

『「鉄学」概論』(閑人亭日録)

原武史『「鉄学」概論 車窓から眺める日本近代史』新潮文庫2011年初版、前半を読んだ。知らなかった用語。《 (天皇が一ヵ所を訪問することを「行幸」二ヵ所以上を訪れることを「巡幸」、皇太子の場合は同じく「行啓」と「巡啓」、両者を合わせて「行幸啓」…

『風俗時評』(閑人亭日録)

花森安治『風俗時評』中公文庫2016年2刷を読んだ。元版は1953年刊。《 本書『風俗時評』におさめられた文章は一九五二年から翌年にかけて、同名のラジオ番組で、花森が語ったものである。 》 岸本葉子「解説」 語り口が上手くて一気読み。半世紀以上前に語ら…

『意味がない無意味』六(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「V 分身 独身者のソォダ水──長野まゆみについて」を再読。《 長野作品は、少年たちの底なしにインチキな燦めきが実のところ不気味さでもある、という真面目な気づきへと直行せずに、底なしへの途上で…

『意味がない無意味』五(閑人亭日録)

なぜ理解できないような本を読むのか。窮屈と感じている既成の知、私の狭い世界認識を拡張したい。世界はもっと広く、違っているはず。違った知を知りたい。それだけ。 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「III 他者 アンチ・エビデンス─…

『意味がない無意味』四(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「I身体 不気味でない建築のために」を再読。 「II 儀礼 世界の非理由、あるいは儀礼性──メイヤスー『有限性の後で』から出発して」を再読。《 世界全体についてメイヤスーが言う「事実性」は、「儀礼…

『意味がない無意味』三(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「I身体 思考停止についての試論──フランシス・ベーコンについて」を再読。《 だからベーコンの絵画に、何かをもっと深く無限に多様に考えさせてくれる魅力を求めても無駄なのではないか。その魅力は…

『意味がない無意味』二(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。初読時はどこまで理解できたのだろう。よくわからぬまま、読み進めていったのだろう。確かめる気は ないが。再読して、私には理解がじつに難しいことを実感。それでいい。《 哲学にも色々な…

『意味がない無意味』(閑人亭日録)

千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版を少し再読。本の少し読んで(読んだうちに入らぬが)きょうはおしまい。 朝は涼しいが、時間とともに暑くなる。夏と秋とが混ざり合っている。日が低くなって部屋の中にまで日が差し込んでくる。夏の間放…

『方丈記』(閑人亭日録)

昼、養鱒場を経営している女性から電話。明治十年頃、源兵衛川などで鱒の養殖が行われていたようだけど、ご存じ? というもの。初耳。 女友だちからは人付き合いが悪いと言われる。別に近所の人とのお付き合いは順調だけど。深くは関わらないし私生活の詮索…

『死の快走船』(閑人亭日録)

昨日午後、イトーヨーカドー三島店三階の本屋へ。エレベーターの前の店舗が空いて来月、買取店が開店のようだ。時勢だ。新聞朝刊折り込み広告に三島駅近くの 買取店の広告。いつも8ポ~6ポの細かい字体でびっしり書き込まれている。高齢者は読めるのかあと…

『水墨画』二(閑人亭日録)

矢代幸雄『水墨画』岩波新書1969年初版、「心境と表現」を読んだ。講演を要約してまとめたものなので平易な文。《 それで私は大喜びでそれを買った次第であったが、偉い禅僧の墨蹟には、かえって、そんなこともあり得るのである。以上のようなわけで、偉い禅…

『水墨画』(閑人亭日録)

昨日の稲賀繁美『日本美術史の近代とその外部』、「第15章 華厳パラダイムと現代美術:まとめにかえて」は、ジョージ・クブラー『時のかたち 事物の歴史を めぐって』鹿島出版会2018年初版と呼応、照応しているよう。 https://bijutsutecho.com/magazine/ser…

『日本美術史の近代とその外部』再読・二(閑人亭日録)

稲賀繁美『日本美術史の近代とその外部』放送大学教育振興会2018年初版の再読を終える。どこか記憶に留まっているのだろう。再会の気分もある。なんと野心的、 挑戦的な著作だろう。誰かに勧めたくなる。残念だが、そんな人はいない。《 この記念碑的な大著…

『日本美術史の近代とその外部』再読(閑人亭日録)

稲賀繁美『日本美術史の近代とその外部』放送大学教育振興会2018年初版を少し再読。歯切れのいい文章で通説とは異なった観点を提示する。《 その観点に立つとき、もはやかつての、そして「近代」と呼ばれた時代に確立した「美術」観や「藝術」観も、その有効…

『狭夜衣鴛鴦剣翅』(閑人亭日録)

《 古書山たかし氏の『怪書探訪』で探偵小説の先駆けにして大傑作と紹介されている浄瑠璃「狭夜衣鴛鴦剣翅」を読んでみたくて調べたところ、 ネットで松井和翠氏による現代語訳を見つけ、詳細な解説とともに読了。うひゃー、なるほど、これは紛うかたなきミ…

クマゼミ(閑人亭日録)

きょうが九月一日とは。二日と勘違いしていた。暑さボケか。いや、歳のせいか、生まれつきか。全部当たり~。朝食後、洗濯物を干し、トイレのお掃除、風呂場のお掃除、 排水溝のお掃除。ふう。体が勝手に動いて終了。一汗。 朝の風は心地よい・・・。ま、し…