2013-01-01から1年間の記事一覧

『百句燦燦』

明日から始まる「風の子造形教室展」 Art 長光寺 Vol.1 の展示の準備で朝から出かける。午後五時半帰宅。四人で展示。住職の好意で、お寺の本堂をせいせいと使った、非常に面白い展示になった。これはいい。ニ日〜四日のたった三日間の展示。天気もよく幸先…

『アホラ詩集』『八木重吉詩集』

27日に記したサンリオ・ギフトブックの訂正。倉庫で確認したところ、1974年11月30日に、アンデルセン/味戸ケイコ『マッチ売りの少女』、小川未明/司修『赤いろうそくと人魚』そして高田敏子/浅倉摂『月曜日の詩集』の多分三冊が、新しいフォーマットで…

「パラダイムシフト──2100年への思考実験」

毎日新聞28日夕刊、「パラダイムシフト──2100年への思考実験」は「第2部 脱『成長』への道 6」、水野和夫「資本主義の『過剰』性、是正を」。《 5000年の「金利の歴史」において、現在、日本の10年国債利回りは前人未到の超低金利にある。 》《 期間、…

『密室の鍵貸します』

昨夜、味戸ケイコさんからメール。《 素敵な作品を教えて頂きましてありがとうございました! 》 川端康成「片腕」に続いて、挿絵を描きたくなる小説を、という味戸さんの要望に応えて23日に送った、昭和初期の短篇をとても気にってくれた。やれやれ。 寒々…

『背表紙は歌う』

大崎梢『背表紙は歌う』東京創元社2010年2刷を読んだ。久しぶりの大崎梢。威風堂書店員のお仕事小説シリーズから出版社明林書房の営業マンのお仕事小説シリーズへ。人物は変われど、やはり書店が舞台の「ビターな挑戦者」「新刊ナイト」「背表紙は歌う」「君…

『道草』

やっと晴天。大物を洗濯。朝から年配者の一団がスタスタと源兵衛川を下ってゆく。景色を楽しむという姿は微塵も無い。目的地目指して人に遅れまいと一心不乱の歩き。昼には大通りで六百人を超える親子のハロウィーン仮装行列。なんやかやと賑やか。 夏目漱石…

『緑雨警語』

昨夜から雨。未明の地震にはビックリだったが、雨らしい雨の静かな土曜日。まだ紅葉しない緑に雨が落ちる。《 明治の作家斎藤緑雨などは相当なエスプリの持ち主で、もしフランスに生まれていたら、その才能を高く評価されたにちがいない。 》 と昨日の『エス…

『エスプリとユーモア』

嵐の前の曇天。って、台風来るのかい。来たのは吾妻ひでお『贋作 ひでお八犬伝』奇想天外コミックス1980年初版帯付。晴れ間がのぞいたので、そばの源兵衛川へ行く。横のお寺の池の方から二羽のカワセミが川へ飛んでいく。あんなところでいちゃついていたんか…

「あるユモリストの話」

嵐の前の曇天。ブックオフ長泉店で二冊。大崎梢『背表紙は歌う』東京創元社2010年2刷帯付、つかこうへい『銀ちゃんが、ゆく』角川書店1987年初版、計210円。つうか公平。公平……毎日新聞20日の読書欄、J=P・フィトゥシ、E・ローラン『繁栄の呪縛を超えて…

『悪戯の愉しみ』

先だっての電話で、味戸さんの挿絵に相応しい日本の作品として、まず川端康成「片腕」を候補に挙げ、それが収録されている『眠れる美女』新潮文庫を17日に郵送した。昨晩、味戸ケイコさんからメール。《 「片腕」何度か読み返しました。 》 《 不思議な雰…

『私とはなにか』つづき

上田閑照(しずてる)『私とはなにか』岩波新書2000年初版で、その視線の深さに導かれ、蒙を啓いた「私と汝」の章から。《 出会って、握手の場合のようにすぐに向かい合って「汝と我」になるのではなく、まずお互いに頭を下げておじぎする。 》 116頁《 おじ…

『私とはなにか』

高知県のやなせたかし記念館から寄贈依頼の本を段ボール箱に詰めて宅配便で送る。サンリオから出ていた、たやなせたかし編集の雑誌『イラストレ』や『詩メルヘン』増刊の『やなせたかしの世界』1975年、『やなせたかしの世界』1991年などなど。コンビニから…

『中途半端な密室』

秋冷と呼びたくなる雨の一日。部屋に溜まった本を目視。へえ〜、こんな本を買ってたのかあ。記憶力の衰えを痛感。というよりも整理しろよ、だなあ。しかし整理しようもない。せめて作家別に置きたいが、これまた面倒也。本の塔のてっぺんに吾妻ひでお『ぶら…

『一刀斎の古本市』つづき

富士山に白雪の冠。昼前、隣町の函南町の骨董市へ知人の車に同乗して行く。立派な旧家の壁一面、床一面に並べられた書画骨董その数五千点以上。足の置き場所に苦労する。布地以外をくまなく見て回る。粋に額装された池田蕉園の白描美人画に惹かれる。割安だ…

『一刀斎の古本市』

森毅『一刀斎の古本市』ちくま文庫1996年初版を読んだ。古本の話だと思ったら、違った。「あとがき」から。《 「古本市」といっても昔の本ばかりというわけではない。本というものは、読んでしまえばもう古本である。そして、その本の内容からいくらか離れて…

『まんが集 無口なボオ氏』

昼前、味戸ケイコさんから電話。一時間あまり、やなせたかし氏や味戸さんの新作について語らう。味戸さんへ某文庫本を郵送。 昨日購入したキャサリン・ブラックリッジ『ヴァギナ 女性器の文化史』河出書房新社、藤田真利子の「訳者あとがき」の結び。《 著者…

『日本史を読む』つづき

台風一過。真夏日。毎日新聞朝刊第一面にやなせたかし死去の記事。作品論をだれが最初に書くだろう。「子どもたちの愉快な芸術祭」アート長光寺 Vol.1の個人向け葉書を投函。 丸谷才一・山崎正和『日本史を読む』中公文庫2001年初版、つづき。《 丸谷 そこ…

やなせたかし死去/『日本史を読む』

朝、「子どもたちの愉快な芸術祭」アート長光寺 Vol.1の葉書を報道へ投函。個人へはもう少し後に。 午後、高知県のやなせたかし記念館からやなせ本寄贈の礼状が届く。後日他の本も寄贈の予定。 8日に取り上げた『アンパンマンの遺書』のやなせたかし氏が13…

「子どもたちの愉快な芸術祭」アート長光寺 Vol.1

去年の暮れ,K美術館の最終企画展示となった風の子造形教室展が、来月早々お寺を舞台に催される。「子どもたちの愉快な芸術祭」。その案内葉書が出来上がる。場所は三島市の南隣、函南町の長光寺。住職のご好意により、11月2、3、4日の三日間開催。面…

『英国庭園の謎』

朝は源兵衛川の月例清掃へ。水量が減ったせいか、小魚(アブラハヤの子)の群れがよく見える。午後は沼津市のギャラリー・カサブランカへ。16日から始る牧村慶子展の展示のお手伝い。牧村慶子さんの、欲しい〜という絵が数点。でも昨日の味戸ケイコさんの…

味戸ケイコ展「青の無言劇」

昨晩は、買ってきた105円本から洲之内徹『さらば気まぐれ美術館』新潮社1988年4刷のカバー(ジャケット)を取って、堅牢な表紙をなでなで。読まれた形跡のない小口をパラパラと開いたり。いかにも本らしい本だ。感触を楽しんで読むつもりはなかったけど、巻…

『鷹の井戸』

イエーツ『鷹の井戸 At the Hawk's Well 』角川文庫1989年2刷を読んだ。イエーツの表記は、訳者松村みね子による。表紙折込の紹介。《 本書は、わが国の能舞台にヒントをえた作品として広く知られる。古色ゆたかなアイルランドに生まれた薄明の詩人イエーツ…

『イェイツ詩集』

アイルランドの詩人W・B・イェイツ Yeats(1865-1939)の詩(『世界詩人全集15 イェイツ/ロレンス詩集』新潮社1969年初版収録)を読んだ。前期を尾島庄太郎が、後期を大浦幸男が訳している。前期の短い詩を二篇。《 「酒のうた」 A Drinking Song 酒は…

『BALLROOM』

吾妻ひでおの新刊『失踪日記2 アル中病棟』イースト・プレスにこんなセリフがあるという。吾妻たちに看護師は言う。《 「これから酒を断って生きていかなければならない皆さんにとって重要なことは、今まで心身ともに酒だけの人間だった自分から酒を抜いた…

『アンパンマンの遺書』

一昨日の毎日新聞「今週の本棚」、「この3冊」は内田樹・選の村上春樹。3冊は「羊をめぐる冒険」「中国行きのスロウ・ボート」そして「村上朝日堂」。《 私の「村上春樹短篇ベスト3」は「「中国行きのスロウ・ボート」と「午後の最後の芝生」と「四月のあ…

『ドーキー古文書』

フラン・オブライエン(1911-1965)『ドーキー古文書』1964年『世界の文学 16 スパーク/オブライエン』集英社1977年初版収録を読んだ。内容はすっ飛んでいるけど、『スウィム・トゥー・バーズにて』『第三の警官』とは違って、困惑することなく普通に読め…

『トンネルで酒びたり』

スカッと秋の空。夏日だけれども、夏じゃない、秋。ブックオフ長泉店で二冊。R.タゴール『ギタンジャリ』第三文明社2002年2刷、高木彬光『羽衣の女』角川文庫1978年初版、計210円。 フラン・オブライエン(1911-1965)のジェイムズ・ジョイスに関するエッセ…

『スウィム・トゥー・バーズにて』

曇天。朝は小雨混じりで涼しい。秋霖の気配。アイルランドの天候を連想させる。 フラン・オブライエン(1911-1965)『スウィム・トゥー・バーズにて』筑摩世界文学大系68巻1998年初版収録を読んだ。 なんとも奇妙な小説だ。一昨日の『第三の警官』は、まとも…

エレナ/美術、西洋と日本

昨晩、三島市民文化会館で映画『ニュー・シネマ・パラダイス』をフィルム上映で観賞。『あまちゃん』同様小ネタ満載。映画マニアにはタマランだろうな。 令嬢エレナとの別れが不可解だった。エンドロールで本編では見なかったご婦人がちらっと出ていて、今の…

『第三の警官』

アイルランドの作家フラン・オブライエン(1911-1965))『第三の警官』筑摩世界文学大系68巻1998年初版収録を読んだ。殺人を犯した語り手のその後の奇妙な物語。最初の一行。《 フィリップ・メイザーズ老人を殺したのはぼくなのです。 》 語り手はその後、…