2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

深い共感に基づく理解(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社を読んで、大岡信にとって批評とは深い共感に基づく深い理解だと実感。 しかし、ある人は、深い共感に基づいて誤解することもある。しかし、誤解するとは何を指していうのか。 源兵衛川のゴミ拾い、草取りのボランティ…

『生の昂揚としての美術』五(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社2006年4月25日 初版第1刷を読み進める。《 デザインは、その最も先鋭な表現においては、「美」とか「造形的完成」とかという基準によってではなく、作者の現実認識の新しさそのものによって人を打つことがありうるし、…

『生の昂揚としての美術』四(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社2006年4月25日 初版第1刷を読み進める。《 大岡 きっかけになるものは、自分のなかからは出てこないのさ。何かに触れたときに、自分のなかからそれが呼び出されてくるという弁証法的構造だと思う。 》 「宇佐美圭司」 2…

『生の昂揚としての美術』三(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社2006年4月25日 初版第1刷を読み進める。《 「パリ「前衛芸術の日本展(一九一○ー一九七○)」は一九八六年十二月九日から八七年三月二日まで、パリのサントル・ポンピドゥー美術館で開かれている。 》 「パリ「前衛芸術…

『生の昂揚としての美術』二(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社2006年4月25日 初版第1刷、「 II 生の昂揚としての抽象絵画」を読んだ(「ART NOW 第八巻『躍動する抽象』講談社1972年2月刊で既読)。 《 どんなささやかな事物、さらには事物の一断片の中にさえ、全体がつねに…

『生の昂揚としての美術』(閑人亭日録)

大岡信『生の昂揚としての美術』花神社2006年4月25日 初版第1刷を少し読む。発行日がきょう。《 二人ともそれぞれのあり方において、この現実世界の彼方に視線をこらしているのは明らかだが、現れ方において、カンディンスキーはダークでホット。モンドリア…

無理せずに(閑人亭日録)

朝、源兵衛川中流、下源兵衛橋上流の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。右岸の石垣のヒメツルソバを抜く。手の届かない高所は、次回に。疲れを感じて終了。無理せずに。帰宅。ふう。 季節が戻ったような北東の風、曇天。午後はお疲れ~お休みモード。昼寝。ぐっ…

 "MAGICAL&MYSTERIOUS"(閑人亭日録)

北一明の盃を眺めていて"MAGICAL&MYSTERIOUS"という言葉が浮かんだ。 MAGICAL=不思議な、魅力的な、神秘的な MYSTERIOUS=不思議な、不可解な、神秘的な 北一明の”耀変”作品は、”窯変”とも”曜変”とも全く違う格別に美しい変幻を魅せる。静止画像でも動画で…

『十七絃琴』『二十絃琴』(閑人亭日録)

LPレコード、菊地悌子『十七絃琴の世界』CAMERATA 1981年と野坂恵子・三木稔『二十絃琴の世界・III』CAMERATA TOKYO 1982年を久しぶりに聴く。 https://www.maestrogarage.com/product/2406 https://silenciamusicstore.net/?pid=158833051 演奏については…

『雪月花の心』再読・三(閑人亭日録)

栗田勇『雪月花の心 Japanese Identity 』祥伝社昭和62年6月10日発行の再読を進める。《 一般に美術というものは、すべてに言えることですが、全体のプロポーションとそれを生かすディテールの美しさ、つまり細かい部分の完成度によって、芸術としての価値が…

『雪月花の心』再読・二(閑人亭日録)

栗田勇『雪月花の心 Japanese Identity 』祥伝社昭和62年6月10日発行の再読を進める。《 また、今残っている伊勢神宮は、1200年の形をそのまま伝えていると言えます。(引用者・略) つまり、20年ごとに伊勢神宮は古くなっても新しいままでも、壊れても壊れ…

『雪月花の心』再読(閑人亭日録)

栗田勇『雪月花の心 Japanese Identity 』祥伝社昭和62年6月10日発行を久しぶりに少し再読。左開き、横書き、英文対訳。冒頭から蒙を啓かれる。《 西欧でも、古代ギリシャでは、ネイチュアという言葉は、ある生み出す力を意味していました。それが中世になる…

「夢は朝ひらく」(閑人亭日録)

朝、目覚めのときに藤圭子『圭子の夢は夜ひらく』が浮かんだ。 藤圭子『圭子の夢は夜ひらく』を聴く。 https://www.youtube.com/watch?v=y-ua19tnNg4 藤圭子の『柳ヶ瀬ブルース』も浮かんだ。聴く。 https://www.youtube.com/watch?v=7JVrOWKrFqc 半世紀あま…

春愁のビスクドール(閑人亭日録)

昼前、源兵衛川中流、時の鐘橋~源兵衛橋のヒメツルソバを抜く。深いところはサンダルに履き替える。土のう袋にぎゅっと詰め込む。手に下げて帰宅。一汗。やれやれ。 午後は久しぶりにYOU TUBEで音楽を視聴。まずは引退したギリシャの歌姫ハリス・アレクシー…

用事で一日終える(閑人亭日録)

朝、源兵衛川上流の石垣のヒメツルソバを抜く。昨日の雨で軽く抜ける。それにしても、一週間でこんなに拡がるとは。土のう袋半分に。帰宅。汗ばむ。 午後、グラウンドワーク三島の実践地視察そして理事会。夕刻帰宅。ぐったり。 ネット、うろうろ。《 ドキュ…

『夜のパリ』翻訳の難しさ(閑人亭日録)

雨の一日。昨夕知人女性から電話で依頼されたお話(大岡信について講演)を少し考える。周囲では大岡信を称賛する声ばかりだが、著作をあまり読んでいない人が多い。かといって私自身、熱心な読者とは言えないが、ある程度読んではいる。そして思う。大岡信…

『闇のなかの黒い馬』・三(閑人亭日録)

埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』河出書房新社一九七○年六月二十日発行を半世紀ぶりに再読。「《私》のいない夢」「夢のかたち」「神の白い顔」を読んだ。引用したい箇所はあるが、そこだけ抜き出しても面白さは伝わらない。しかし、面白いか?と問われれば、さ…

『闇のなかの黒い馬』・二(閑人亭日録)

埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』河出書房新社一九七○年六月二十日発行を半世紀ぶりに少し再読。「暗黒の夢」「自在圏」「追跡の魔」を読んだ。「追跡の魔」という表題どおり、サスペンスというかスリラーというか、切羽詰まった夢魔の宇宙が舞台。一部を引用し…

『闇のなかの黒い馬』(閑人亭日録)

埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』河出書房新社一九七○年六月二十日発行を半世紀ぶりに再読。と書きたいが、お疲れモード。九篇からなる短篇集の第一篇の表題作を読んだのみ。しかし、これが面白い。覚醒。今だからわかる面白さ。《 宙にふわりと浮いた私の軀は…

「光と闇の世界」(閑人亭日録)

優れた作品とは何だろう。お値段が億単位の作品? それは商品価値の高い作品であって、作品の質とは違う。 既存の作風を時代遅れにしてしまう画期的な作品? 例えばパブロ・ピカソの『アヴニョンの娘たち』1907年か。 https://artmuseum.jpn.org/mu_avinyon.…

美術作品購入の観点(閑人亭日録)

購入する美術作品を私は、三つの観点から判断する。 一 惹かれる作品である 二 優れた作品である 三 まだ人気のない作家・作品である 物故作家も現役作家も同じ。物故作家では、小原古邨、明治後期の木版口絵など。現役作家では、初個展で購入したのは、味戸…

『戦争と日本』(閑人亭日録)

水木しげるの二冊『戦争と日本 壮絶!特攻篇』『戦争と日本 敗走記篇』マガジンハウス二○二ニ年七月二八日第一刷発行を買ってあるけど、未読。 https://magazineworld.jp/books/digital/?83873215AAA000000000 https://magazineworld.jp/books/paper/3214/ …

『コミック昭和史 第6巻』・三(閑人亭日録)

水木しげる『コミック昭和史 第6巻 終戦から朝鮮戦争』講談社文庫1994年10月15日第1刷、読了。これはいい。戦後の日本が生々しく可笑しく哀しく活写されている。 ネット、うろうろ。《 東京国立近代美術館 「重要文化財の秘密」 権威付けする悩ましさ 会田…

『コミック昭和史 第6巻』・二(閑人亭日録)

水木しげる『コミック昭和史 第6巻 終戦から朝鮮戦争』講談社文庫1994年10月15日第1刷を少し読んだ。文章は平明簡潔で、内容が頭にすっと入る。絵柄はじつに濃密で普通のマンガのようにとっとと進まない。細部をじっと観察してしまう。いかにも水木しげるな…

『コミック昭和史 第6巻』(閑人亭日録)

水木しげる『コミック昭和史 第6巻 終戦から朝鮮戦争』講談社文庫1994年10月15日第1刷を少し読んだ。第1章「東条の強がり」から第10章「紙芝居のかいめつ」まで。絵なので文章よりも現実味が増す。田中小実昌『ポロポロ』を連想。水木は南洋、田中は中国だ…

骨董屋で四方山話(閑人亭日録)

昼前、源兵衛川中流、鉄橋周辺の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。両面の石垣に生えきたヒメツルソバを抜く。帰宅。ふう。 昼、友だちから呼ばれ近所の骨董屋へ。三人でお弁当を食べながら四方山話に花が咲く。 ネット、うろうろ。《 強制加入の保険は税だよ。…

『世界は「関係」でできている』再読・五(閑人亭日録)

カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日3刷を少し再読。《 わたしが見ているのは小さな惑星の上のちっぽけな森で、その惑星は小さな恒星のまわりを回り、その恒星は一千億もの恒星からなる銀河に属…

『世界は「関係」でできている』再読・四(閑人亭日録)

カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日3刷を少し再読。《 現実の成り立ちを巡るわたしたちの思い込みは、自分たちの経験の結果でしかない。だが、わたしたちの経験には限りがある。自分たちが過去…

『世界は「関係」でできている』再読・三(閑人亭日録)

カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日3刷を少し再読。《 事物がおおもとのところで互いに依存し合っていることを具体的に表す、きわめて微妙で魅力的な量子現象がある。夢のように魅惑的なその現…

『世界は「関係」でできている』再読・二(閑人亭日録)

カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』NHK出版2022年2月15日3刷を少し再読。《 思うに、わたしたちは量子論を通して、あらゆる存在の性質、すなわち属性が、じつはその存在の別の何かへの影響の及ぼし方にほかならない…